2022年の春に定期運行を終了し、その後はイベント列車等で活躍していた小田急の50000形(VSE)。
定期運行の終了後も2編成が揃った状態でしたが、9月に50002Fが先に引退すると発表されました。

ついに現実となってしまうVSEの引退ですが、すぐに解体されてしまう可能性はあるのでしょうか。

VSEの引退に関する詳細が明らかに

惜しまれつつ定期運行を終了しながらも、比較的走行機会が多かったためか、VSEが引退するという実感は意外と薄れていたかもしれません。
しかし、予告されていたとおりその日は確実に訪れるようで、小田急からVSEの引退に関する詳細が発表されました。

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まず、第2編成となる50002Fについては、9月24日に運行される列車を最後に、引退することとなりました。
片方の編成が先に引退する理由としては、50002Fのほうがまもなく検査期限を迎えることが関係しているとみられます。



50002Fが年末まで走れないのは分かっていましたが、検査期限が早いほうに合わせて引退とするのか、50002Fを先行して引退させるのかは不明でした。
結果は後者だったことになり、第1編成である50001Fが残り、最後の花道を飾ることとなります。

2023年の秋頃に引退すると発表されていたVSEですが、50001Fについては12月まで残る予定となりました。
冬に入ってからの引退となりますが、予め決まっていたことなのか、注目度の高さを考慮して引退時期を遅らせたのかは気になるところです。

50002Fはすぐに解体されてしまうのか

50002Fが先に引退するという発表の中では、さりげなくVSEの引退後についても触れられています。
それはロマンスカーミュージアムでの展示に向けた検討をするというもので、追加で車両を展示することになりそうです。
検討と書かれてはいますが、確度としては高いと思われますので、ほぼ決まっていると考えてよいのでしょう。

ロマンスカーミュージアムには、1両ほどの車両が置けるスペースがあるため、VSEはそこに入るものと思われます。
2両は入らないと思われますが、他の車両の位置を調整する可能性がないとはいえず、どのように配置するのかは気になるところです。

どちらの編成が保存されるのかは不明なものの、通常であれば第1編成の50001Fになると考えられます。
そうなった場合に、先行して引退する50002Fはどうなってしまうのでしょうか。
通勤型車両であれば、多くの場合は引退してすぐに解体となりますが、50002Fについては必ずしもそうとは限りません。
VSEの注目度は高く、50001Fが最後の活躍を続ける中、50002Fの解体を急ぐ必要はないためです。

以前とは異なり、VSEは編成のまま留置できるスペースがあります。
過去にも、保存が検討されている車両は解体が保留されることがあり、今回も同様となる可能性は十分考えられます。
譲渡されて他社で再起する可能性は低いものの、ロマンスカーミュージアム以外の場所でも保存される可能性がないとはいえず、現役の車両として走らせることは無理でも、展示物としての価値は高いため、何らかの活用が模索されるかもしれません。

いずれにしても、急いで解体をする必要がなければ、編成のまま留置しておく可能性はあり、引退後の動向が気になるところです。

おわりに

いよいよ引退までのカウントダウンが始まった小田急のVSE。
最後まで安全に、そして平和に時が流れることを、1人の小田急ファンとして願いたいと思います。