終点の駅に隣接し、各駅停車しか停まらない南新宿と足柄。
小田急の駅において、近年は利用者数の最下位を争う関係となっており、徐々に足柄が優勢となってきました。

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利用者が拮抗するようになった両駅ですが、南新宿は減少傾向、足柄が増加傾向だった背景があり、いつしか立場が逆転しつつあるようです。
両駅の利用者数は、かつてどれぐらいの差があったのでしょうか。

最下位を争う南新宿と足柄

現代の小田急において、利用者が少ない駅の代表格となっているのが、南新宿と足柄の両駅です。
どちらも小田原線内に設置されており、終点となる駅が隣という共通点があります。

1日あたりの平均乗降人員において、近年は最下位を争う関係となっており、年度によって順位が入れ替わる状態です。
2012年度から2021年度の10年間では、南新宿が3回、足柄が7回の最下位を記録しており、2022年度は南新宿が最下位となりました。

2022年度の1日あたりの平均乗降人員は、南新宿が3,588人、足柄が3,589人となっており、なんとその差は1名という僅差でした。
驚くほど拮抗する両駅の利用者数ですが、2023年度の結果がどのようになるのか、今から目が離せない状況となっています。

利用者数の差はどれぐらいあったのか

ライバル関係にあるような状態となっている両駅ですが、昔からこのような関係だったわけではありません。
元々は圧倒的な差がある状態だったものの、南新宿の減少が続き、足柄の増加が続いたことで、結果的に最下位を争う関係になったという経緯があります。

実際にはどれぐらいの差が過去にはあったのか、私の手元にある資料で確認してみたいと思います。
等間隔で比較できると面白いのですが、全ての情報が揃っているわけではないため、特定の年度をピックアップしてご紹介します。

1日あたりの平均乗降人員について、南新宿と足柄のいくつかの年度をピックアップすると、以下のような結果となっていました。

【1976年度】
南新宿:4,666人
足柄:2,488人

【1983年度】
南新宿:8,808人
足柄:2,591人

【1990年度】
南新宿:7,527人
足柄:3,040人

かつてはダブルスコア以上の差があり、南新宿の利用者が大きく落ち込んできたことが分かります。
一方で、足柄は着実に利用者を増やしてきたといえそうで、全く異なる推移を辿り、今日のライバル関係に至ったようです。

おわりに

一部の年度をピックアップして、単純に比較するだけとなってしまいましたが、両極端な推移だったことが分かりました。
年度ごとのデータは、古くなるほど揃えるのが難しくなりますが、引き続きサンプル数を増やせるように、資料の収集にも努めていきたいと思います。