完全に引退する日が徐々に近付き、再び注目度が高まりつつある小田急の50000形(VSE)。
在籍する2編成のうち、50002Fは2023年9月24日の運行をもって引退することが発表され、その後は50001Fのみが12月まで残る予定となっています。

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2編成が走るVSEですが、前面には番号の表記等がなく、同時期に製造されたことで仕様差もありません。
撮った写真等を見返しても、どちらの編成かを後から判別することは困難ですが、見分け方はあるのでしょうか。

2編成が在籍するVSE

ロマンスカーブランドの復権を掲げて登場したVSEは、50001Fと50002Fの2編成が製造されました。
製造時期は近く、2004年の終わりから2005年の初めにかけて竣功し、どちらの編成も日本車輌製造で造られています。

2005年3月19日に揃って営業運転を開始し、それ以来使い方を区別するようなことはなく、2編成が揃った状態で活躍してきました。
50002Fが先に引退し、50001Fは最後の花道を1編成で飾ることになりますが、それはそれで少し寂しくも感じます。

定期運行が終了した後は、イベント列車等での活躍が続いていますが、意図的に並びを演出するといったことも行われ、引退前の特別な時間となっています。
並びが注目されることも増えましたが、どちらも同じデザインで統一されているため、後から写真を見ても普通はどちらの編成かは分かりません。
しかし、実際にはちょっとした差異があるため、なんとか見分けることが可能となっています。

少し難しいVSEの見分け方

一見すると同じに見える2編成のVSEですが、注意深く前面を見ると異なる部分があります。
それは運転室内に敷かれている布のようなものの大きさで、よく見るとサイズが若干異なっているのです。

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まずは50001Fを見てみましょう。
2階にある運転室には、手前に白い布のようなものが敷かれています。
50001Fはサイズが比較的大きく、まずはこの状態を覚えて下さい。

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続いては50002Fですが、何が違うんだとまずは思うかもしれません。
分かりやすい違いは布の右側で、50001Fよりも横幅が短い状態となっています。
小田原方はライトの周囲が黒いという差もあるようですが、これは時期によって差が激しい印象もあり、誤認する可能性もありそうです。

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新宿方についても見分け方は同様で、白い布のサイズでどちらの編成かが分かります。
この写真は左が50002F、右が50001Fですが、50002Fのほうがワイパーの止まる位置が高いという違いもあり、判別はしやすいかもしれません。

白い布のようなものは、登場した当時はなかったようですが、昔の写真を眺めていると、黒い布が敷かれているようにも見えます。
2012年頃には白くなっていることが確認できますが、途中で何かしらの対応が行われていそうです。

おわりに

まるで間違い探しのようなVSEの見分け方ですが、なんとか判別できる状態なのはありがたいといえます。
現在の状態はこのようになっていますが、時期によって異なる部分もありますので、その点についてはご注意下さい。