小田急顔という伝統の前面デザインを採用し、1978年に登場した5000形の6両編成。
現在は新たな5000形が登場していることから、旧5000形と表現したほうが分かりやすいかもしれません。

合計で20編成が登場した5000形の6両でしたが、製造期間が5年にも満たないにもかかわらず、多くの細かい仕様変更が行われました。
それぞれの編成には、どのような違いがあったのでしょうか。

前半に増備された編成の仕様

15編成が登場した4両の後を受けて、5000形は1978年から6両の増備に移行しました。
6両となったのは急行の10両化を進めるためで、現代の小田急へと繋がる転換点だったともいえます。

新たに登場した6両は側面に下降式の1枚窓を採用し、前面は従来の5000形、側面は9000形に近く、両形式を合わせたようなスタイルとなりました。
最初の編成が登場して以降、最終増備車まで細かい仕様変更が行われ、趣味的にはなかなか面白い車両となっています。

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最初のグループとして、1977年度には1次車と2次車が登場しました。
5251Fが1次車、5252Fと5253Fが2次車で、増備の時期は離れておらず、編成ごとの仕様差もありません。

その後の編成の基礎となる車両ではありましたが、側面の表示装置が種別のみのタイプで、屋根の仕上げに塩化ビニルの屋根布が使われており、その後の編成とは異なりました。
前半に登場した編成は、ドアや戸袋窓にHゴムを採用しており、従来車に近い部分も残っています。

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1978年度には3次車が登場し、5254Fと5255Fが該当します。
これらの編成からは、側面の表示装置に種別と行先の両方を表示できるようになり、その後の小田急における標準仕様となりました。
屋根の仕上げは絶縁塗料に変わり、見た目の印象も変化しています。

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1979年度に登場した4次車は、5256Fから5258Fまでの編成が該当します。
これらの編成からは、車内の床を塗る仕上げに変更したほか、ドアの外側部分に指挟みを防止するゴムの設置等が行われました。

後半に増備された編成の仕様

急行の10両化を進めるため、次々に登場した5000形の6両は、増備の後半で見た目に大きな変化が生じます。
小田急顔の形式としては完成形に到達し、集大成といえるような仕上がりとなりました。

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1980年度に登場した5次車は、5259Fから5262Fまでの編成が該当します。
最大の変化はドアや戸袋窓が押え金式となったことで、ドアレールもステンレス化されたことから、見た目の印象が大きく変わりました。
その他には、電動空気圧縮機がC-2000MからC-2000Lに変わり、低騒音化が図られています。

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1981年度に登場した6次車以降は、仕様変更がほとんどなくなっており、形態が揃うようになりました。
5263Fから5265Fまでが6次車、5266Fのみが7次車、5267Fから5270Fまでが8次車となっており、7次車の5266F以降で車内の貫通扉が押え金式になったのが目立つ程度です。

おわりに

増備の前半に仕様変更を重ねつつ、全20編成が出揃った5000形の6両編成。
全編成がリニューアルを行いつつも、比較的早期に廃車となってしまい、少々もったいない終わり方となりました。