5000形の増備がストップしつつも、保有車両数の削減により8000形の廃車が進められている小田急。
2022年に行われたダイヤ変更で減便を行ったことで、運用数自体が減らされているため、余剰になった車両の廃車が進められています。

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ダイヤ変更で運用がかなり減らされた通勤型車両ですが、現在の編成数と運用の関係はどうなっているのでしょうか。
運用数に対してどれぐらいの車両が余っているのか、最新の状況を確認してみたいと思います。

減少した通勤型車両の運用数

コロナ禍における厳しい経営環境を乗り切るため、小田急は2022年に保有車両数の削減に踏み切りました。
保有車両数の削減ができるのは80両と発表されており、20両が50000形(VSE)を指していると考えた場合、通勤型車両は60両程度の削減になると見込まれます。

現在も8000形の廃車が進められている状況ですが、保有車両数の削減は運用数の削減とイコールであり、ダイヤ変更の前後で変化がありました。
ダイヤ変更が行われる前の2021年時点と、2023年現在の運用数について、どれぐらいの差があるのかをまずは確認してみましょう。

【2021年】
4両:4運用
6両:26運用
8両:17運用
10両:57運用

【2023年】
4両:4運用
6両:24運用
8両:17運用
10両:53運用

運用数としてはこのようになっており、6両が2運用、10両が4運用減っていました。
減少分を両数に置き換えると52両となりますので、保有車両数の削減に近い数字となることが分かります。

運用と編成数の関係はどうなっているのか

ダイヤ変更後は車両が余っている状態となっていた小田急ですが、廃車が進んだことで稼働率は上がりつつあります。
現時点での保有車両数がどうなっているのか、まずは各形式の編成数を確認してみましょう。

8000形(4両):10編成
8000形(6両):12編成
1000形(4両):7編成
1000形(10両):7編成
2000形(8両):9編成
3000形(6両):27編成
3000形(8両):8編成
3000形(10両):12編成
4000形(10両):16編成
5000形(10両):12編成

両数ごとにまとめると、このような編成数となっていました。
8000形については、8254Fと8256Fに引退が予告されているため、6両については近いうちに10編成に減るものとみられます。

これらの情報を元に、現在の運用数に対して新しい車両から割り当てていくと、最終的に余りが出てきます。
10両は4両と6両を組み合わせた編成が必要になるため、そこは8000形同士を優先すると、余る車両は以下となります。

8000形(4両):3編成
8000形(6両):4編成
1000形(4両):3編成
3000形(6両):3編成

結果はこのようになり、4両が6編成、6両が7編成となります。
合計は66両となり、これを多いとみるか少ないとみるかは難しいところです。
6両はリニューアルで運用から外れている編成がいることを考えると、実際には5編成といえるかもしれません。

代走が発生する場合、8両は4両を2編成繋ぎ、10両は4両と6両を繋いで走行するため、8両と10両自体に予備の編成はありません。
実質的には54両の余裕ということになりますが、いざという時の備えも必要なことを考えると、追加で削減できる両数については、あったとしてもあと僅かといえそうです。

おわりに

新車の増備をせずに廃車だけが進められた結果、余る車両はかなり減ってきているといえます。
どこまで車両が減らされるのかは不明ですが、新車の増備がない状況下においては、これ以上廃車にできない状態が近付きつつあるようです。