全部で70の駅があり、東京都から神奈川県に路線網を広げている小田急。
開業時からそのままのもの、改称を行っている等、様々な歴史を持つ駅が設けられています。

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そんな小田急の駅ですが、時刻表等を見ようと調べていると、同じ名称の駅が他の路線にもあることに気付きます。
実際のところ、小田急にあるのと同じ名称の駅は、全国にどれぐらいあるのでしょうか。

小田原線にあるのと同じ名称の駅

新宿から小田原までを結び、全部で47の駅が設けられているのが、小田急の本線格である小田原線です。
路線の距離が長く利用者も多いため、特急も含めた多種多様な列車が走っており、様々な規模の駅があります。

そんな小田原線には、他に同じ名称の駅が三つあります。
まずはそれらの駅を確認してみましょう。

【喜多見】
北見:きたみ(JR北海道:石北本線)

【生田】
生田:しょうでん(JR東日本:田沢湖線)

【足柄】
足柄:あしがら(JR東海:御殿場線)

漢字や読み方の違いはあるものの、JR各社に存在していました。
御殿場線の足柄は有名で、全く別の駅にもかかわらず、歩いて乗り換えをするといったチャレンジも行われています。

漢字が異なる北見駅は、北海道北見市にあり、JR貨物のホームもある駅です。
北見市はカーリングが盛んなことでも有名で、ロコ・ソラーレの拠点でもあります。

読み方が異なる田沢湖線の生田駅は、1面1線の無人駅となっており、かなり規模の小さな駅です。
田沢湖線は秋田新幹線のルートとなっていますが、生田は停車駅ではありません。

江ノ島線と多摩線にあるのと同じ名称の駅

小田急に二つある支線にも、同じ名称を持つ駅が存在します。
江ノ島線と多摩線のそれぞれにありますので、それらを確認してみましょう。

【大和】
大和:やまと(JR東日本:水戸線)

【黒川】
黒川:くろかわ(名古屋市営地下鉄:名城線)
黒川:くろかわ(能勢電鉄:妙見の森ケーブル)
黒川:くろかわ(JR四国:土讃線)
黒川:くろごう(松浦鉄道:西九州線)

まず、江ノ島線の大和と漢字も読みも同じ駅が、JR東日本の水戸線内にあります。
大和は1988年に設置された新しい駅で、当初は昼間に普通列車が通過していた面白い駅です。
既に小田急と相鉄に同じ名称の駅がある状況で名付けられており、昭和の終わり頃では意外と珍しいケースかもしれません。

多摩線については、黒川が他に四つも存在します。
松浦鉄道だけはくろごうと読みますが、他は完全に同じ名称となる駅です。

名古屋市営地下鉄の黒川は1971年に開業しており、1974年の小田急が後に続いています。
能勢電鉄の黒川はケーブルカーの駅ですが、施設の老朽化等を理由に2023年12月4日をもって廃止される予定です。
JR四国と松浦鉄道の黒川は、駅舎がなく短いホームだけがあり、どちらも無人駅となっています。

小田急の黒川は後発だったことになりますが、地名でもあったためか、そのまま駅名に採用されました。
地名の採用をやめた駅がある中で、全国に複数存在する黒川という駅名を採用したのは、少し意外な歴史でした。

おわりに

数えるほどしかない小田急にあるのと同じ名称の駅ですが、黒川が多く存在するのは面白い点といえます。
漢字を使ったシンプルな駅名は、どうしても重複しやすいのかもしれませんね。