小田急の駅で初めてホームドアが設置され、他の駅で設置が始められるまでは唯一の存在だった新宿駅。
優等列車が発着する4番ホームと5番ホームにのみ設置され、試験的な意味もあったものと思われます。

そんな新宿のホームドアですが、先端には○と×が表示される機器が設置されています。
ホームドアに関連するこの機器は、何を示しているのでしょうか。

小田急初のホームドア設置駅となった新宿

都市部を中心に設置が進むホームドアですが、一昔ほど前には想像できなかったことで、鉄道を取り巻く環境の変化を強く感じます。
小田急の駅でも少しずつ設置が進められていますが、最初の設置事例となったのが起点の新宿駅でした。

新宿でホームドアの使用を開始したのは、東日本大震災の翌年にあたる2012年9月30日で、主に快速急行や急行が発着する4番ホームと5番ホームが対象でした。
降車ホーム側には設置されず、片側だけという状態ではあったものの、小田急初のホームドアということで注目を集めました。
ホームドアの設置に伴い、1000形のワイドドア車は他の編成と繋いだ10両での運用が難しくなり、その後は単独での使用が基本となっていきます。

小田急初のホームドアが登場した当初は、まだTASCの整備がされていない状況で、終点という神経を使う駅において、停止位置を手動で合わせる必要が生じました。
電磁直通ブレーキを装備した車両もまだ多くいた時代であり、運転士の苦労が偲ばれます。

○と×が表示されるホームの先端部

新宿で使用が開始されたホームドアでしたが、ホームの先端部には気になる機器が設置されていました。
現在は開扉が自動化されていますが、使用を開始した当初は全ての操作が手動で、それに関連した機器となっており、現在も引き続き使用されています。

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先端部に設置されている機器はこのようなもので、電車の進入に合わせて○か×を表示します。
電車が入ってきた時には×が表示されていますが、ホームドアの開閉が可能な範囲に車両が入ると、写真のように○へと変わります。
まるでゲームのようではありますが、TASCを使用せずに手動でブレーキをかけていた頃は、×の状態で車両が停まってしまい、微調整をすることもありました。

○と×の制御には、車両との距離を測るセンサーが使われているようで、表示器の下にあるものがそのための機器です。
表示器は小田原方にもありますが、そちらは扉の開閉状況を○と×で示すものとなっています。

おわりに

ホームドアの設置に関連し、先端部で○と×が表示されるようになった小田急の新宿駅。
かつてはぶつかりそうな停止目標が存在した駅でもありますが、ホームドアの使用開始当初は、歴史が繰り返しているような印象を抱いたものでした。