速達列車の主役が快速急行に代わり、それをサポートする役割となった小田急の急行。
長い区間を運行する列車も減っており、小田急線内での立ち位置はかなり変わりました。

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快速急行が登場する前は優等列車の主役だった急行ですが、近年は停車駅の増加等もあり遅くなったと感じます。
急行が主役だった時代と比べた場合、所要時間にはどのような変化があるのでしょうか。

サポート役に代わった小田急の急行

長距離の移動でロマンスカーを使わない場合、かつては急行が第一の選択肢でした。
現在の快速急行に比べると、新宿寄りでの停車駅が多いこと、途中駅での分割併合が基本だったこともあり、ややのんびりした旅だった印象が残っています。

ロマンスカーとの住み分けも異なり、途中の停車駅が限られていた昔は気軽に乗れる存在ではなかったため、仕方なく急行に乗る機会もあったように思います。
箱根を観光した帰りに、箱根湯本から急行に乗って上る際は、相模大野での連結が楽しみなイベントでした。

時代は変わり、現代の急行は完全に快速急行のサポート役となっており、運行区間も細切れとなってしまいました。
途中で各駅停車に列車種別が変化することも多く、近年は立ち位置自体がよく分からない存在にもなりつつあります。

急行の所要時間に変化はあるのか

昔よりも本数が少なくなり、停車駅が多くなった小田急の急行ですが、所要時間に変化はあるのでしょうか。
長い区間を走る急行自体が少なくなったため、比較はしにくいのですが、時刻表を眺めてみることにしました。

分かりやすい結果が出るだろうと思い、新宿から小田原までを急行で走るケースで見てみることにします。
今はこのような列車が走る時間帯が限られるため、ややバイアスがかかるかもしれません。

現代の急行については、列車により待避の有無で差が出るようですが、概ね1時間40分前後での走破となるようです。
夜には1時間32分で走る列車もありますが、これは少数派といえます。

昔の急行についても眺めてみたところ、1時間40分前後の列車が多くあり、意外にも変わらないという結果になるのかと思いきや、大事なことに気付きます。
当時は赤丸急行という列車が存在し、本厚木からずっと各駅に停まるようになっており、1時間40分はそのパターンの場合なのです。
新松田から小田原までを通過する列車の場合には、1時間30分前後で走ってしまうようで、現代と10分近い差が見られました。

このような差は、待避や途中駅での接続、停車駅の増加によって生まれたものと思われますが、やはり所要時間には差がありました。
現代の快速急行が1時間30分前後であり、なかなか興味深い結果となっています。

おわりに

所要時間に差がありそうだとは思っていたものの、予想以上の結果になりました。
現代の快速急行とかつての急行が同じような立ち位置であり、所要時間の面でも大きな差がないという結果が意外でした。