意欲的なロマンスカーとして、ダブルデッカー車の採用等を行って登場した小田急の20000形(RSE)。
JR東海の御殿場線と相互直通運転を行うための車両で、371系と基本仕様を合わせています。

RSEは2編成が造られ、常時1編成を御殿場線に乗り入れる運用に充当し、もう1編成ははこね号などで使われました。
仕様は同一となっている2編成ですが、前面からそれぞれを見分けることは可能なのでしょうか。

20001Fの見分け方

小田急を代表する車両であるロマンスカーは、前面に編成を特定する番号が示されていません。
車番はもちろんのこと、編成番号も掲出されていないため、基本的には同じように見えてしまいます。

ロマンスカーの基本原則どおり、RSEも前面に編成を示すものはありませんが、各編成のスカートには僅かながら形態差があり、それを見て編成を判断することが可能です。
まずは20001Fから、各車両のスカートを見ていきましょう。

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20001Fの新宿方に位置するデハ20001は、中央に向かってやや下がっていくことが特徴です。
このように下がっていくことが、RSEのスカートでは多いパターンですが、デハ20002とは見分けやすいので、よく覚えておいて下さい。

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続いては小田原方のデハ20301ですが、こちらも新宿方と同じく中央に向かって下がっています。
下がり方は新宿方と似ており、比較的直線的になっていることが特徴で、この点が20002Fとの識別点になります。

20002Fの見分け方

20001Fの特徴を把握したうえで、今度は20002Fの形態を見ていくことにしましょう。
僅かな違いとなっているため、見分けるにはしっかりと見る必要があるものの、車両の向きで2両まで絞り込めるため、慣れればそこまで難しくはありません。

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まずは新宿方の先頭車であるデハ20002ですが、この車両がRSEの中では最も特徴があり、スカートが中央部に向かって下がらず、直線になっています。
RSEの中では最も見分けやすく、新宿方については簡単に判断できるといえるでしょう。

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続いて小田原方のデハ20302ですが、こちらは中央部に向かって下がっているため、20001Fと見分けるのが少し難しいのですが、よく見ると若干形状が異なります。
デハ20301が直線的に下がっていくのに対して、デハ20302は途中からややカーブしながら下がっていくため、この部分が編成を見分ける識別点となります。

おわりに

僅かな差ではあるものの、スカートの部分を見て編成を判断することができるRSE。
後天的なものかと思いましたが、登場時から晩年ほどではないものの差があり、最初から多少の個体差が発生していたようです。