多摩線の延伸区間の終点として、1990年に開業した唐木田駅。
小田急にとっては69番目の駅が誕生したことになり、現在まで多摩線の終点として親しまれています。

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駅ができてから既に30年以上が経過していることにも驚かされますが、開業当時の唐木田駅はどのような様子だったのでしょうか。

豪華な造りの唐木田駅

多摩線の終点である唐木田駅は、1990年3月27日に開業しました。
清掃工場の設置等に関係して設けられた駅で、小田急としても車庫の用地を確保したいという思惑がありました。
唐木田に車庫が設置されたことで、小田急はそれまで以上に輸送力の増強が可能となり、1000形の増備により保有車両数を増やしていくこととなります。

駅が開業した当時、日本はバブル景気の真っ最中でした。
そんな世相を反映してか、唐木田駅は全体的に豪華な造りとなっており、ホームは全体に渡って化粧ブロックを使用し、当時から反転フラップ式の行先案内装置が設けられていました。
最初からエスカレーターが設置されており、終点の新駅であるとはいえ、見込める利用者に対して立派な駅舎となっています。

駅が開業する時点では開発に伴い移転していたものの、唐木田という地にはかつて菖蒲園がありました。
菖蒲園にあった花は中沢池公園に移植されていますが、駅のシンボルとして菖蒲が各所に使われており、ステンドグラスやタイル等で見ることができます。

現在はエレベーターが整備されていますが、開業当時は改札の先にあるコンコースがなく、階段付近で終わっていました。
エレベーターを設置する際にコンコースが広げられ、今の姿へと変わっています。

唐木田駅の開業によって変化した周辺

現在の所在地は多摩市の唐木田ですが、開業した当時は落合で、「東京都多摩市落合2540-1」が駅の所在地でした。
唐木田はかつての落合村にあった小字で、それが駅名に採用されつつ、後に地名としても使われるようになっています。

多摩ニュータウンとしては開発時期が遅く、駅が開業した当時の周辺は静かなものでした。
立派な駅に対して周辺は緑に溢れ、現在のように住宅も多くはありません。
駅の開業後に周辺が発展していることになりますが、駅は街をつくるのだということを再認識させられます。

住宅地も広がる唐木田駅の周辺ですが、清掃工場以外にも大規模な施設が多いのが特徴で、大学や商業施設等があります。
小田急の車庫が設けられたことにも関係しそうですが、計画的に大規模な施設を集めたということなのでしょうね。

おわりに

現在も静かな終点の駅というイメージの唐木田ですが、歴史的な様々なエピソードがあります。
機会を見つけて、他の内容もご紹介できればと思っています。