高架化が行われたことで、踏切が一切ない状態となった小田急の海老名から本厚木にかけての区間。
海老名の駅自体は地上にありますが、ホームを出るとすぐに高架へと上っていき、地上を走る部分に踏切はありません。

多くの踏切が高架化によって除去されましたが、それ以前にもこの区間には先行して廃止された踏切がありました。
その踏切が廃止されたのは、いつのことだったのでしょうか。

交通渋滞を引き起こしていた海老名2号踏切

現在は道路がオーバークロスしている海老名駅を出た先ですが、かつてはここに海老名2号踏切がありました。
位置は現在跨線橋があるあたりで、踏切の幅自体はそこまで広くなく、比較的よくあるスタイルのものでした。

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上の写真で見た場合、奥に見えるポイントの少し先が踏切のあった位置で、上には跨線橋が見えています。
踏切に関係するものは撤去されていますが、柵の配置等にかつての名残が感じられます。

跨線橋を通っているのは神奈川県道40号線で、昔から交通量が多い道路でした。
海老名2号踏切があった当時は開かずの踏切となっており、交通渋滞を引き起こす存在となってしまったことから、解決策が模索されることとなります。
そこで、道路と線路を立体交差させることで、渋滞の解消と踏切事故の防止を図ることとなりました。

立体化により廃止された踏切

踏切の廃止を目的として建設されたのは、現在も使われている海老名跨線橋です。
跨線橋の全長は265.8mで、両側には2.5mの幅がある歩道も設けられています。

神奈川県は1988年より跨線橋の建設をスタートし、時代が昭和から平成に変わった1991年に完成しました。
相模国分寺の伽藍を装飾要素として取り入れており、洒落たデザインとなっています。

海老名跨線橋の完成により、1991年2月2日に道路の切り替えが行われました。
当日は記念の式典や渡り初めのパレードが行われ、14時に開通となったようです。

跨線橋の完成に合わせて海老名2号踏切は廃止され、鉄道と道路は立体交差へと変わりました。
道路の開通後に踏切が廃止されたものと思われますが、それが同日だったのか、それとも翌日だったのか、詳細な日付は分かりませんでした。

おわりに

交通渋滞の解消を目的に立体交差化が行われ、姿を消すことになった海老名2号踏切。
発展した海老名の姿を見ていると、ここに30年ほど前は踏切があったという事実が信じられないですね。