小田原線の開業時に設けられ、川崎市内にある小田急の駅としては長い歴史を持つ読売ランド前駅。
現在も橋上駅舎化は行われておらず、改札口は道路に面して設けられています。

20220528_01

そんな読売ランド前駅では、開業時からの駅舎が比較的長く残っていましたが、いつまで使われていたのでしょうか。

西生田として開業した読売ランド前

1927年4月1日に開業した読売ランド前は、当初西生田という駅名でした。
西があるなら東もというわけではありませんが、開業当時には東生田という駅もあり、それが現在の生田にあたります。

駅名は生田村内に設置されたことに由来しますが、元々は一つの駅を設ける予定だったところ、位置をどうするかで紛争が発生し、最終的に二つの駅を設けることで解決を図ったものです。
遊園地が開園することに合わせ、1964年に駅名は西生田から読売ランド前に改称されますが、同日に東生田も生田へと改称され、紛争の名残は駅名から消滅しました。

建て替えによって消滅した開業時からの駅舎

準急系の列車も含め、各駅停車のみが停まる駅と表現できる読売ランド前ですが、古い駅舎が長く使われていました。
抜本的な改良工事が行われなかったためですが、将来的に複々線化をする計画があったからなのかもしれません。

開業時からの駅舎は、現在と同じく下り線側にありましたが、新宿側を向いていたことが特徴で、正面を向いてはいませんでした。
単行の車両が走っていたような時代の建物であり、当然規模としては小さなものでしたが、改装や手直し等は行われています。

建設から60年以上が経過した平成になっても、読売ランド前では開業時からの駅舎が残っていましたが、1994年にはついに建て替え工事が始まることになりました。
駅舎の建て替えに加え、それと前後して進められていたエスカレーターの設置や、車いす用スロープ等のバリアフリー設備が整備され、合わせて自動改札機も導入されています。
工事の開始後は仮駅舎へと一旦移り、1995年8月27日に新駅舎へと切り替えられました。

おわりに

開業時からの駅舎が長く残りながらも、平成に入ると建て替えによって姿を消した読売ランド前駅。
建て替え後も駅舎は地上にあるため、現在もどこか懐かしい雰囲気が残っています。