コロナ禍が終わったと表現してよいのかは分かりませんが、2023年は街中で外国の方を見かける機会が一気に増加し、社会の正常化も進みました。
最盛期ほどではないものの、小田急の利用者もかなり回復しており、少しずつ明るい話題が増えてきたと感じる1年でした。

2023年の大晦日となる本日は、恒例となっている小田急の1年を振り返る記事で、締めくくりたいと思います。

引き続き激しかった車両面の変化

5000形の増備が2023年度は行われず、保有車両数の削減が中心となった2023年でしたが、1年を通して話題の中心にいたのは50000形(VSE)でした。
多くのツアーが組まれただけではなく、貸切列車も数えられないほど運転され、走らない週末のほうが珍しいと思わせるぐらいの活躍だったといえます。

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そんなVSEにもついに引退の瞬間が訪れ、9月24日に50002Fが一足先に運行を終了、50001Fは12月10日にラストランとなります。
私は箱根湯本駅で見送ることとし、最後の勇姿をカメラに収めました。

車両の引退という面では、8000形の廃車が引き続き行われています。
1月に5062Fが営業運転を開始したものの、2023年度は5000形の増備が行われず、8000形はひたすら減り続ける1年となりました。
保有車両数の削減は2023年をもってほぼ終わったとみられるため、2024年以降は置き換えに戻っていくのかについても気になるところです。

そんな中で8000形には驚くようなニュースがあり、今後西武への譲渡が行われ、国分寺線での活躍が見られることとなります。
譲渡されるのは6両の編成となるようで、2024年からは後期車を中心に動きがありそうです。

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2022年度からリニューアルが始まった3000形は、2023年になって次々に営業運転へと復帰しました。
現在までに5編成が施工済となっており、既に珍しくない存在となりつつあります。
リニューアル以外では、LED表示器をフルカラーのものに交換した編成や、廃車やリニューアルで発生したと思われる全密閉式のモーターに換装した編成もあり、3000形の変化が多くなってきました。

ロマンスカーはVSEの引退があまりにも目立った1年でしたが、60000形(MSE)と70000形(GSE)に就役からの15周年と5周年を記念したヘッドマークが掲出され、普段とは違う姿を見せることとなりました。
残念だったのは、ロマンスカーの乗務員が着用していた専用の制服が廃止となったことで、高級感のあるベージュの制服は過去のものとなっています。

キャラクター「もころん」の登場

2023年の後半には、子育て応援マスコットキャラクターとしてもころんが登場しました。
小田急にはマスコットキャラクターがいない状態でしたが、もころんの登場によって一気に賑やかになったといえます。

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5000形に装飾を行ったもころん号も運行を開始し、徐々に認知度も上がってきているように思います。
各種イベントにも度々登場しており、今後はグッズの展開も加速していきそうです。

各所で行われている様々な工事

新宿駅を中心に、2023年は各所で工事が行われる1年でした。
小田急百貨店新宿店本館の建て替えは一気に本格化し、風景は目まぐるしく変化しました。

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見慣れた建物はあっという間に姿を消し、2024年にはなくなってしまいそうな勢いとなっています。
今後は導線にも変化があるものとみられ、利用する際は注意が必要となってきそうです。

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慣れ親しんだお店の閉店も相次ぎ、ロマンスカーカフェが惜しまれつつ姿を消しました。
駅構内のセブンイレブン等も閉店となり、地上ホームは工事期間中の厳しい状態が続くこととなります。

利用しやすい駅に生まれ変わるため、鶴川駅や藤沢駅では改良工事がスタートしました。
変化としてはまだまだこれからというところですが、こちらもあっという間に変わってしまうことでしょう。
その他には、本厚木駅や町田駅でホームドアの設置が進められ、少しずつですが設置駅が増加しつつあります。

少しずつ明らかになる未来への投資

具体的な動きは今後ということになりますが、未来に向けた投資もいくつか発表されています。
大規模なものでは、伊勢原市内に新しい総合車両所と駅を建設する計画が発表され、世間を賑わすこととなりました。

合理化の観点では、箱根登山線内でワンマン運転の試験運用を始めることも発表されています。
こちらは2025年度からの予定となっており、今後は設備の面での変化がありそうです。
線路設備モニタリング装置の導入も発表され、クヤ31形の今後が気になる状況となってきました。

おわりに

振り返ってみると、意外に様々なことがあった1年だったと感じます。
VSEの引退を中心に、さみしい話題が引き続き多い1年でしたが、未来を見据えた動きも多くなってきました。

2023年もOdapediaをご覧下さり、誠にありがとうございました。
来年もこのような記事が書けるように、小田急の変化を追い続けていきたいと思います。