過去に様々な車両が登場し、やがて引退するというサイクルを繰り返してきた小田急。
平均的な活躍期間というものはあるものの、形式によって更新の有無等で年数は様々です。

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既に引退した小田急の車両において、登場から引退までの活躍期間はどれぐらいだったのでしょうか。

通勤型車両の活躍期間

修繕を繰り返しつつ、比較的長く使われる傾向がある通勤型車両ですが、小田急に在籍した車両の場合はどうだったのでしょうか。
形式の統廃合等が少なく、整理しやすい戦後生まれの車両について、活躍した期間を確認してみたいと思います。

活躍年数は、最初に竣功した車両と最後に廃車となった車両の年を基準とし、竣功日が不明な場合は登場した年で確認しています。
定期運行からの引退と廃車日に差があるケースがあるほか、日付単位で細かくは見ておらず、1年程度の誤差があるため、あくまでも目安としての年数です。

後に格下げされた車両も含め、通勤型車両の各形式が活躍した年数は以下のとおりとなります。

1800形:35年
1900形:27年
1700形:23年
2100形:21年
2200形:30年
2300形:27年
2220形:26年
2320形:25年
2400形:30年
2600形:40年
4000形:39年
5000形:43年
9000形:34年

結果はこのようになっており、形式によってかなり違いがあることが分かります。
傾向としては、車体が短い車両は活躍期間が短く、大型車は逆に長いということがあげられ、輸送力が求められるようになった影響が年数に表れていました。

活躍期間が短い車両の代表格は1700形と2100形で、在籍両数の少なさというのは、活躍期間に影響を与えるといえるでしょう。
最も長いのは5000形の43年ですが、こちらは製造期間も長いという点には注意が必要です。

印象的なのは2600形と9000形で、前者は製造期間がそこまで長くないにもかかわらず、40年という長期に渡って使われました。
一方の9000形については、早期に廃車となった印象を裏付ける結果となっているものの、製造期間が短く、かつ廃車開始から完了までも短いため、結果として活躍年数にも表れたといえそうです。

特急型車両の活躍期間

形式数としては多くないですが、ロマンスカーについてはどうなっているのでしょうか。
ハイデッカーを理由として、早期に廃車となった車両の印象が強いですが、こちらも活躍年数を確認してみましょう。

基準を通勤型車両と同様とした場合、特急型車両の各形式が活躍した年数は以下のとおりとなります。

3000形:35年
3100形:37年
7000形:38年
10000形:25年
20000形:23年

通勤型車両とは逆の結果で、初期に登場した車両の活躍期間が長くなっています。
長寿となった理由には外的要因もありましたが、通勤型車両は収容力という根本的な問題を抱えていたのに対して、ロマンスカーは使えなくはないという状態だったことが、3000形等の活躍期間に影響したといえそうです。

短命に終わった10000形や20000形についても、年数で見れば25年程度は現役だったことが分かり、形式としての活躍期間が極端に短かったわけではありません。
このような前提を踏まえると、20年未満で廃車となる50000形はやはり短命であり、格下げされた車両を含めても圧倒的だったということになります。

おわりに

様々な理由により、形式によって活躍期間には大きな差が生じていた小田急。
過去に廃車となった車両は、形式単位で廃車時期が集中することが基本でしたが、1000形は半数が先行して廃車になっており、小田急の歴史上においては珍しいケースということになりそうです。