5年から10年程度の周期で新型車両が登場し、形式によっては世代交代も早い小田急のロマンスカー。
2023年の末には、多くのファンに見送られて50000形(VSE)が運行を終了し、一つの歴史が終わりを迎えました。

VSEの引退発表後、多くの方々がその勇姿を記録しようと活動していましたが、とりわけ若い方が目立ち、エネルギーにも満ち溢れていました。
そこでふと思ったのが、世代によって思い入れが強いロマンスカーは異なる傾向があるのだろうということでした。

自分にとってのロマンスカー

早期に引退することになったVSEは、活躍期間が20年に満たない短命なロマンスカーとなりました。
新車として登場した頃から見てきた身として、当然寂しい気持ちはあったのですが、私よりも若い世代の方々のほうが、VSEへの思い入れは強そうだと感じるシーンが多くあったように思います。

私も引退発表後のVSEは人並みに記録しましたが、それとは比較にならないほど熱い方々が沢山いらっしゃいました。
走行する度に一日中追いかけている方、2編成しか在籍しないVSEの並びをひたすら狙う方、空からの撮影を試みる方、芸術的な切り取り方を追求する方、到底真似できないエネルギーに驚かされる日々でした。

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なぜこんなことを思ったのかといえば、自分にとって思い入れが強いロマンスカーといえば、既に引退してしまった10000形(HiSE)だったからです。
HiSEも比較的短命に終わったロマンスカーでしたが、同時に5000形や20000形(RSE)が引退したこともあってか、VSEほど盛り上がることはなかったように思います。

本当は沢山の記録を残したかったものの、引退当時は仕事やプライベートが色々と忙しく、なかなかまとまった時間を作ることができませんでした。
同じようなことは様々な方から耳にするので、よくあることなのかもしれません。

世代によって異なる思い入れ

私にとって思い入れが強いロマンスカーはHiSEですが、少し上の世代になると、7000形(LSE)と答える方が多いように感じます。
さらに上の世代になると、それは3100形(NSE)や3000形(SE)となり、必ずそうとはもちろんいえないのですが、世代によって傾向があるのは間違いなさそうです。

HiSEは私にとって新型車というイメージが強く、それまでの車両とは異なるカラーリングを採用したこともあり、かなり強いイメージを残しました。
登場当時は、HiSEのグッズも販売されており、文房具のセットを持っていたことをよく覚えています。

自分にとってのロマンスカーは、若い頃に新型車両として登場し、さらにイメージが大きく変わった車両であるほど、思い入れが強くなるということなのでしょうか。
VSEはこういった条件を揃えていたこともあり、思い入れが強い方が多く、かつてない盛り上がりに繋がったのかもしれませんね。

おわりに

ロマンスカーに対する思い入れは、人によって対象となる形式が異なります。
世代別でアンケートをしたらどうなるのか、そんなことが気になってしまいました。