実業家の利光鶴松氏が創業し、今日まで発展の歴史を歩んできた小田急。
新宿から箱根や江ノ島といった観光地に路線網を広げつつも、全線に渡って宅地化が進行し、多くの利用者を抱える路線へと発展しました。

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開業から100年という節目が近付きつつある小田急では、創業者から後任へと、社長の役目は受け継がれてきましたが、現在社長を務める星野晃司氏が会長に就き、鈴木滋氏が社長に昇格する人事が発表されました。
せっかくの機会ですので、小田急では過去に何人の方が社長の役割を担ったのかを、今回はまとめてみたいと思います。

小田急の歴代社長

1927年に小田原線を開業した小田急は、2024年で97周年目を迎えます。
100周年の節目は間近に迫りつつあり、小田急ファンの私としては、この先どんな展開が待っているのか、楽しみにしつつ過ごす日々です。

小田急の母体となる小田原急行鉄道は、利光鶴松氏が創業した法人で、親会社への合併、大東急への合併を経て、1948年の分離独立時に現在の法人が誕生します。
今までに多くの方が社長の役割を担い、その時々の状況に応じた意思決定をしてきました。

まずは歴代の社長を確認してみましょう。
大東急の時期を除いた小田急の社長は以下のとおりで、括弧内は在任期間を示します。

・利光鶴松(1923年5月1日~1941年7月3日)
・利光學一(1941年7月3日~1941年9月19日)
・五島慶太(1941年9月20日~1942年4月30日)
・安藤楢六(1948年12月24日~1969年5月22日)
・廣田宗(1969年5月23日~1981年6月23日)
・利光達三(1981年6月24日~1991年6月26日)
・滝上隆司(1991年6月27日~1997年6月26日)
・北中誠(1997年6月27日~2003年6月26日)
・松田利之(2003年6月27日~2005年6月9日)
・大須賀賴彦(2005年6月10日~2011年6月28日)
・山木利満(2011年6月29日~2017年3月31日)
・星野晃司(2017年4月1日~2024年3月31日予定)
・鈴木滋(2024年4月1日~予定)
※敬称略

これまでに12人の方々が社長に就任し、現在は星野晃司氏が社長を務めています。
メディア等でお見かけすると、真面目な時と笑顔の時のギャップが印象的な方です。
次に社長を務める鈴木滋氏は13人目となり、今後の小田急がどのように変化していくのかも含め、就任後の展開が気になるところです。

歴代社長の在任期間

大東急の時代を除けば、これまでに12人の方々が指揮を執ってきた小田急ですが、在任期間を見ると時代背景が少し見えてきます。
せっかくなので、そのあたりについても軽く触れておきましょう。

歴代社長の在任期間を年数に直すと、以下のとおりとなります。

利光鶴松:18年
利光學一:1年未満
五島慶太:1年未満
安藤楢六:21年
廣田宗:12年
利光達三:10年
滝上隆司:6年
北中誠:6年
松田利之:2年
大須賀賴彦:6年
山木利満:6年
星野晃司:7年
※敬称略

長い方から短い方まで様々ですが、一定の傾向が読み取れます。
創業者の利光鶴松氏が長いのは当然として、大東急の解体後に就任した安藤楢六氏が、最も長い21年となっていました。

安藤楢六氏は小田急が開業する前に入社した方で、大東急の解体にも尽力しました。
小田急の社長となってからは、戦後の発展を牽引することとなり、ロマンスカーを軸とした箱根の発展、輸送力の増強等、現在の基礎が確立されていきます。

その後の社長は、10年程度という時期が続きますが、1990年代になると6年という期間が定着します。
有価証券報告書の虚偽記載問題で引責辞任した松田利之氏を例外とすれば、近年まで長く6年という期間が続いてきました。
大企業の社長が任期を6年とするのは、比較的よく見られる慣例であることから、小田急もそのような流れだったということなのでしょう。

現在社長を務める星野晃司氏は、この慣例を少し超えて7年の在任期間となりました。
コロナ禍という大変な時期を挟んだためなのか、それとも別の理由だったのかは分かりませんが、小田急にとっては変化のタイミングとなりそうですね。

おわりに

普段小田急を利用しても、なかなか社長の存在を意識することはありません。
それぞれの社長が務めた時期の小田急を見ていくと、何を推進した方なのかというのが、なんとなく見えてくるように思います。