全部で70を数え、それぞれが異なる周辺環境の中にある小田急の駅。
再開発の有無や開業時期の違いにより、駅前の道路事情も大きく異なっています。

20230826_04

路線が比較的長い小田急では、郊外になるほど自家用車の必要性が高まりますが、送り迎えの際に便利な存在といえば駅前のロータリーです。
規模は駅によって様々ですが、ロータリーを備える駅はどれぐらいあるのでしょうか。

駅前にロータリーを備える小田急の駅

小田急の小田原線と江ノ島線は、それぞれ戦前に全線が一気に開業しました。
まだ自家用車が普及する前のことで、移動手段としての鉄道は今以上に重宝される存在だったといえます。

戦後になり、日本にもモータリゼーションの波が到来し、各地で道路等の整備が進められ、小田急の駅前も郊外を中心にロータリーが設置されるといった変化がありました。
複々線化により都市部でもロータリーを備える駅が多くなり、全くないケースは少なくなっています。

実際にはどれぐらいの駅にロータリーがあるのか、まずは確認をしてみたいと思います。
駅前、または駅の近くに何らかのロータリーを備える駅を一覧にすると、以下のとおりとなります。

【小田原線】
・新宿
・代々木上原
・東北沢
・世田谷代田
・梅ヶ丘
・経堂
・祖師ヶ谷大蔵
・成城学園前
・狛江
・和泉多摩川
・登戸
・向ヶ丘遊園
・生田
・百合ヶ丘
・新百合ヶ丘
・柿生
・鶴川
・町田
・相模大野
・小田急相模原
・相武台前
・座間
・海老名
・厚木
・本厚木
・愛甲石田
・伊勢原
・鶴巻温泉
・東海大学前
・秦野
・渋沢
・新松田
・開成
・栢山
・富水
・小田原

【江ノ島線】
・中央林間
・南林間
・鶴間
・大和
・桜ヶ丘
・高座渋谷
・長後
・湘南台
・六会日大前
・善行
・藤沢
・片瀬江ノ島

【多摩線】
・はるひ野
・小田急永山
・小田急多摩センター
・唐木田

ロータリーと表現してよいのか、判断に迷う駅もいくつかありましたが、実質的にロータリーとして機能していると思われる場合は含めました。
自家用車の進入が禁止されているロータリーもあるため、その点はご注意下さい。

整備も進む駅前のロータリー

小田急にある70の駅のうち、ロータリーがあるのは52駅となっており、設置率は約74%となっていました。
判断に迷う駅を抜いたとしても、この数字はそこまで変わらないことを踏まえると、比較的整備されているといえそうです。

ロータリーが整備されている駅自体は多いものの、その規模は様々なのが実情で、今回含めるか迷ったのもその点でした。
最も迷ったのは螢田でしたが、それ以外にもただの広場に見えるような駅もあります。

起点の新宿に近付くほど、当然駅前に建物が密集している傾向があり、ロータリーの整備率は低くなります。
一方で、複々線化により設置が可能となった駅も多く、周辺の道路事情が改善したことは間違いないでしょう。

現在はロータリーがない下北沢については、2025年度の完成予定で整備が進められており、今後1駅増えることになります。
それ以外にも、登戸と鶴川が整備中、新松田には再開発の計画があったりと、まだまだ変化は続くようです。

おわりに

ロータリーの有無や大きさにより、悪天候時等を中心に送迎の混乱が見られ、それによるトラブルもあるようです。
過去に比べればかなり改善したといえそうですが、自家用車を使う側のマナーも問われそうですね。