江ノ島線内の所要時間短縮を果たした湘南急行を発展させ、小田原線内の停車駅も削減した小田急の快速急行。
近年は優等列車の主力となり、小田原線と江ノ島線を走る列車が交互に運転されるようになりました。

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そんな快速急行ですが、列車によって所要時間には若干の差があります。
実際にはどれぐらいの差があるのか、平日の下り列車について調べてみました。

特急以外では最速列車の快速急行

主に長距離を移動する方向けの列車として、2004年12月11日に快速急行が登場しました。
江ノ島線内の通過駅を増やした湘南急行を発展させたもので、小田原線内の下北沢から新百合ヶ丘までをノンストップで走り抜け、その俊足ぶりに驚かされたことを思い出します。

元々は急行の合間に走る列車で、1時間あたりの本数は少なめでしたが、2016年3月26日のダイヤ改正で快速急行を軸としたダイヤが組まれるようになり、優等列車の中心的存在へと変化しました。
一方で、2018年3月17日のダイヤ改正において登戸が停車駅に追加され、下北沢から新百合ヶ丘までを一気に走り抜ける爽快さは、幾分か失われてしまったように思います。

湘南急行を発展させた経緯もあり、元々は江ノ島線内を走る列車のほうが多かった快速急行ですが、2016年以降は小田原線の本数も多くなり、少数ですが多摩線を走る列車も登場しました。
その後は減便等によって本数が変動していますが、特急以外の最速列車であることは変わらず、特に江ノ島線内においては重要な役割を担い続けています。

江ノ島線内を走る快速急行の所要時間

停車駅が少なく、JR東日本の湘南新宿ラインに対抗する役割も担う快速急行は、江ノ島線内の走行において真価を発揮します。
江ノ島線は全体的に線形がよく、列車密度の低さから直線区間を中心にスピードも出せるため、小田原線とは走りの性質が変化するのを感じることでしょう。

特急以外で最速の列車種別とはいえ、実際の所要時間にはばらつきがあります。
時間帯による差が基本となっていますが、どれぐらい違うものなのかを調べてみました。

以下は平日の下り列車において、新宿発の藤沢行きの所要時間を調べたもので、新宿の発車時刻と所要時間を記載しています。

・8時7分発(61分)
・8時27分発(61分)
・8時46分発(63分)
・9時11分発(58分)
・9時30分発(60分)
・9時50分発(56分)
・10時10分発(56分)
・10時30分発(56分)
・10時50分発(56分)
・11時10分発(56分)
・11時30分発(56分)
・11時50分発(56分)
・12時10分発(56分)
・12時30分発(56分)
・12時50分発(56分)
・13時10分発(56分)
・13時30分発(56分)
・13時50分発(56分)
・14時10分発(56分)
・14時30分発(56分)
・14時50分発(56分)
・15時10分発(56分)
・15時30分発(55分)
・15時50分発(55分)
・16時10分発(56分)
・16時30分発(56分)
・16時50分発(56分)
・17時10分発(57分)
・17時30分発(58分)
・17時50分発(61分)
・18時10分発(58分)
・18時30分発(58分)
・18時50分発(61分)
・19時10分発(58分)
・19時30分発(58分)
・19時50分発(60分)
・20時10分発(58分)
・20時30分発(58分)
・20時50分発(60分)
・21時10分発(58分)
・21時30分発(58分)
・21時50分発(58分)
・22時20分発(55分)
・22時46分発(59分)

結果はこのようになり、最速列車が55分、最も遅い列車が63分となり、その差は8分となっています。
パターンダイヤとなる日中は基本的に56分で、列車密度が低い時間帯は所要時間が短いというシンプルな結果となりました。

朝方に見られる遅い列車については、前を走る急行との間隔が狭くなっており、その分ゆっくり走るダイヤとなっています。
夜の時間帯は毎時50分発の列車だけ少し遅くなりますが、これも前を走るメトロホームウェイ号の影響を受けることによるものでした。

おわりに

全体的に列車密度が高く、スピードアップには限界がある小田急線。
快速急行はラッシュ時に遅くなることから、その影響を受けやすい列車であることが分かりますね。