これまでに50両がリニューアルされ、愛称もEXEからEXEαに変更された小田急30000形。
特急型車両がリニューアルされるのは7000形(LSE)以来のことで、カラーリングの変更によりイメージの一新が図られました。

知人より最初の編成が登場した際の写真を提供していただいたため、改めて当時の思い出等を振り返ってみたいと思います。

最初は間違っていたEXEαのロゴ

登場から約20年が経過した2016年度より、30000形のリニューアルが開始されました。
10000形(HiSE)や20000形(RSE)はリニューアルをせずに廃車されたため、ロマンスカーとしては久々に車両のリフレッシュが行われることとなりました。

リニューアルについては、日本車輌製造の豊川製作所で行われるため、2016年3月に30051Fと30251Fがそれぞれ甲種輸送されています。
その後、改造を終えた各編成は10月から11月にかけて小田急に戻り、大きく変わった姿を見せることとなりました。

30000形としては最初のリニューアルとなったことから、小田急に入線後は念入りな試運転が行われます。
日中に試運転が行われる機会も多かったため、カメラを向ける方が多くいらっしゃいました。

20240210_05
写真提供:KGサイズ様

知人が試運転の際に撮影した写真を紹介したいと思います。
上から下までピカピカの状態で、まるで新車のような輝きですが、よく見るとロゴが少々おかしいようです。

20240210_06
写真提供:KGサイズ様

ロゴをアップで撮影した写真がこちらです。
よく見ると「ODAKYU‐SUPER EXPRESS・30000」と書かれていますが、30000形は愛称を持つロマンスカーの中で、唯一「SE」という表現を持たない車両であるため、この表記は誤りでした。

ちょっとした手違いでこのようなことになってしまったのでしょうが、当然そのままとされるわけはなく、営業運転に復帰するまでに正しく直されました。
正しい表記は「ODAKYU‐EXCELLENT EXPRESS・30000」であり、現在もその状態で走っています。
貴重な写真を提供して下さったKGサイズ様、ありがとうございました。

より一層普通の車両となったEXEα

ロマンスカーの常識を打ち破って登場した30000形でしたが、通勤型車両とは異なる要素自体は残っていました。
TD平行カルダン駆動方式の採用が分かりやすい部分で、その他にもワンハンドルマスコンが右手操作式だったりと、新しい要素を取り入れつつもいくつかの伝統は守られています。

20180624_03

登場当時の流行りといえるのかもしれませんが、電動車比率の低さも特徴の一つです。
小田急では珍しい構成で、4両が1.5M2.5T、6両は2M4Tとされており、かなり思いきったものとなりました。

これらの要素はリニューアルの際に変更され、通勤型車両と同じWN駆動方式とされたほか、MT比も1:1に改められました。
ワンハンドルマスコンについても左手操作式に改められ、通勤型車両の仕様と合わせる結果となっています。

一つ寂しいと感じたのは、やはり前面からなくなった愛称表示器でした。
フルカラー化されて多彩な表現ができるようになるとばかり思っていましたが、結果は撤去という予想外の展開となりました。

おわりに

70両が在籍する30000形ですが、20両はリニューアルをしないままとなりそうです。
結果的には、EXEとEXEαが混在する面白い状況となり、そんな状態を上手に楽しむのがよいのかもしれませんね。