現在は3形式が活躍し、観光や通勤輸送を担っている小田急のロマンスカー。
50000形(VSE)の引退で少々寂しくなりましたが、それ以外の車両たちが日々の輸送を支えています。

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VSEの引退により、現役のロマンスカーは合計126両となりましたが、製造された時期は様々です。
ロマンスカーの各編成が製造からどれぐらいの年数を経過しているのか、今回は整理してみたいと思います。

3形式が活躍するロマンスカー

全盛期に比べると少なくなってしまいましたが、現在の小田急では3形式のロマンスカーが活躍しています。
VSEは惜しまれつつ2023年12月に引退し、車籍自体はまだ残っているかもしれませんが、営業運転をすることはありません。

ロマンスカーの中で最も両数が多いのは30000形で、未更新のままで残る20両と、リニューアルを済ませた50両が在籍します。
前者は登場時からの愛称であるEXEを名乗りますが、後者は少し変化したEXEαとなっており、混在したまま活躍している状況です。
リニューアルは中止されたと思われる状況になっており、残りの20両はこのまま引退まで使われる可能性が高くなっています。

30000形に次ぐ大所帯となっているのは、50000形に続いて登場した60000形です。
こちらにはMSEの愛称が与えられ、その名が示すとおりマルチな活躍をしており、とにかく運行範囲が広い形式です。
50000形の要素を盛り込みつつ、30000形の思想を発展させており、小田急としては使い勝手がよい車両といえるでしょう。

ロマンスカーの伝統である前面展望席を備えた車両としては、最新型である70000形が在籍します。
連接車という要素はなく、20m級の車体に前面展望席を設けた初の車両で、愛称はGSEとされました。
14両という少数の在籍となっており、希少価値の高い車両となっています。

各編成が製造から経過した年数

最も古い30000形から、最新型の70000形まで、全形式を合わせた編成数の合計は24となります。
4両と6両が併結して走るため、編成数自体は多いものの、4両は付属編成的な立ち位置であり、余裕があるとまではいえません。

現在のところ、置き換えに関する話題はありませんが、30000形の一部が未更新で残っているため、そう遠くない未来に何らかの手を打つ必要がありそうです。
実際には製造からどれぐらいの年数が経過しているのか、各編成ごとに確認してみたいと思います。

各編成が竣功から経過した年数を、形式別にまとめた結果は以下のとおりです。

【30000形】
30051F:27年
30052F:26年
30053F:25年
30054F:25年
30055F:23年
30056F:23年
30057F:23年
30251F:27年
30252F:26年
30253F:25年
30254F:25年
30255F:23年
30256F:23年
30257F:23年

【60000形】
60051F:15年
60052F:10年
60053F:7年
60251F:15年
60252F:15年
60253F:13年
60254F:11年
60255F:7年

【70000形】
70051F:5年
70052F:4年

最も新しい70000形が約5年という結果ですが、60000形は製造時期に開きがあり、10年近く差があることが分かります。
60000形は今振り返ると興味深い点もあり、4両が1編成だけという状況が5年も続き、検査時等は稼働する4両が全くない状況でした。

最古参形式となった30000形については、4両の30055Fと30057F、6両の30255Fと30257Fが未更新車で、竣功から23年が経過している状況です。
走行距離等が異なるので単純な比較はできませんが、1000形が未更新のまま30年程度は使われたことを踏まえれば、まだ数年はそのまま使えると考えられます。
未更新のまま使われた最長記録としては、37年以上使われた2600形の2652Fというケースもありますが、さすがにここまで使うことはないでしょうから、あと何回検査を通すかといったところかと思われます。

おわりに

リニューアルの有無や、製造時期が広いといった状況から、今後どのように置き換えや更新を進めていくのかが気になります。
60000形もあと5年ほどで製造から20年に到達するため、その頃までには何らかの動きがあるのかもしれませんね。