超高層ビルへの建て替えに関連し、現在は解体工事が進められている小田急の新宿駅。
小田急の起点であり、利用者も線内で最も多い駅で、朝から晩まで人が途絶えることがありません。

そんな新宿駅には、起点の位置を示す0キロポストが存在しますが、線路の端ではない変な位置となっています。
0キロポストは、なぜこのような位置にあるのでしょうか。

起点の位置を示す0キロポスト

鉄道の線路脇には、距離標と呼ばれる起点からの位置を示した標識が設置されています。
日本は距離の単位がkmであることから、一般的にはキロポストと呼ばれることが多いようです。

キロポストは3種類あり、それぞれ甲号、乙号、丙号となっており、甲号が1kmごと、乙号が0.5kmごと、丙号が0.1kmごとに設置されます。
甲号や乙号はサイズが大きいため、線路脇でもそれなりに目立つ存在となっており、先頭車で意識して前を見ていれば、下り列車の場合は進行方向の左側、上り列車の場合は右側に見えてくるでしょう。

変な位置にある小田急の0キロポスト

起点からの距離を示すキロポストですが、当然起点となる駅には0キロポストがあることになります。
江ノ島線や多摩線にもそれぞれ0キロポストが存在しますが、小田急の本線となる小田原線は全ての起点でもあり、他とは違った意味を持つともいえそうです。

鉄道の0キロポストは、他とは異なる特別仕様とされるケースもありますが、小田急の場合はどうなっているのでしょうか。
工事中という状況ではありますが、0キロポストを確認してみたいと思います。

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新宿駅の0キロポストは、このように小田原方面を向いた左側のホーム下にあります。
小田急の場合は特別仕様といったことはなく、とてもシンプルなものであることが分かります。

起点を示す0キロポストですが、写真を見れば分かるとおり、新宿駅の場合はホームの端ではない位置にあります。
9号車の8号車寄りにあるため、距離としては40m程度線路の終端部から離れていることになります。
変な位置に0キロポストがあることになりますが、それはなぜなのでしょうか。

新宿駅は過去に2回の改良工事を行っており、現在は3回目を実施中という状況ですが、最初に工事を行った際に線路を終端部方向に延長したため、それが現在の0キロポストの位置に反映されています。
線路を延長した際に直せばいいように思いますが、起点が変わった場合には線路脇にある全てのキロポストがずれるため、位置を変更することはしませんでした。
その状態が今日まで続いており、変な位置に0キロポストがある状態となっています。

おわりに

車両やホームドアに隠れ、あまり人目に触れる機会がない新宿駅の0キロポスト。
現在行われている改良工事に合わせて、何か象徴的なものを特急ホームにでも設置すれば、利用者を楽しませるものになるかもしれませんね。