夜のラッシュ時に新宿駅を発車し、通勤客に着席を保証する列車として機能している小田急のホームウェイ号。
運行開始から約25年が経過し、利用者にはすっかり定着しました。

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仕事で疲れた際には、ちょっとした贅沢で乗りたくなる列車ですが、仮に通勤で毎日利用した場合には、いくらぐらいかかるのでしょうか。

1999年に登場したホームウェイ号

箱根等の観光輸送を目的に登場したロマンスカーですが、沿線は郊外も発展が進み、通勤や通学路線としての役割も強くなってきました。
そこで、1967年には定期券の利用者が特急料金を払ってロマンスカーに乗ることが認められ、通勤時間帯にもあしがら号が設定されることとなります。

通勤輸送も担うことになり、この頃からロマンスカーの性格は変わり始め、後に30000形(EXE)の登場へと繋がりました。
1990年代の時刻表を見ると、複々線が完成していないため、朝はラッシュのピーク時を外して数本の上り特急が設定されているのみですが、夜のラッシュ時は下りのあしがら号が並ぶ状態となっています。

通勤用の着席列車となっていたあしがら号でしたが、1999年7月17日のダイヤ改正からはホームウェイ号と名を変え、18時以降に新宿駅を発車する特急列車については、全てこの愛称を名乗ることとなりました。
その後も色々な変化があり、東京メトロの千代田線と相互直通運転を行うメトロホームウェイ号も登場し、走行路線や行先の変更も随時実施され、今日へと至っています。

複々線化によって線路容量にも余裕が生まれたことから、朝のラッシュ時にモーニングウェイ号も運行されるようになり、ロマンスカーの性格は大きく変化しました。
ホームウェイ号についても、帰宅時間が早期化しつつあることから、現在は17時以降の列車に設定されるようになっています。

ホームウェイ号に毎日乗った場合の料金

ビールを飲みながらといった帰宅が可能なホームウェイ号ですが、お財布事情が厳しいのも多くの方における現実ではないでしょうか。
毎日乗るというのは夢でもありますが、実際のところはいくらぐらいかかるのでしょうか。

現実的に払える金額なのか、そうではないのか、土日や祝日が休みと仮定し、1ヶ月の平均的な勤務日数を20日とした場合、特急料金がいくらになるのかを計算してみることにしましょう。
今回はあくまでもホームウェイ号としますので、新宿から乗車して途中駅で下車するケースをまとめます。

以下は新宿からホームウェイ号を利用した際の特急料金で、運賃を含まないチケットレス料金とし、括弧内は20日分とした場合を示します。

新百合ヶ丘:450円(9,000円)
町田:450円(9,000円)
相模大野:450円(9,000円)
海老名:600円(12,000円)
本厚木:600円(12,000円)
秦野:700円(14,000円)
小田原:950円(19,000円)
箱根湯本:1,150円(23,000円)
大和:600円(12,000円)
藤沢:700円(14,000円)
片瀬江ノ島:700円(14,000円)

結果はこのようになり、それなりの金額にはなるものの、非現実的でもありません。
郊外になるほど、住居にかかる金額が下がることを踏まえれば、十分検討できるようにも思います。
朝もモーニングウェイ号を使う場合は、この金額の2倍となりますが、毎日の行き来を全て特急にしない限りは、ここまでの金額には当然なりません。

上手く利用すれば、ポイント還元等を受ける方法もあり、実際はもう少しお得に利用が可能です。
テレワークを使える環境であれば、通勤時はホームウェイ号で快適にといったことも、しやすいかもしれませんね。

おわりに

通勤を快適にし、仕事をする方々の強い味方となっているホームウェイ号。
距離が遠くなるほど利用した際の恩恵は大きく、ロマンスカーが観光以外でも重要な役割を担っていることが分かる、象徴的な列車といえそうです。