空に向かってそびえたち、郊外ではひときわ目立つ建築物であるタワーマンション。
再開発等に伴い、近年は駅前にタワーマンションが建っているケースが多くなり、シンボル的な存在ともなりつつあります。

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比較的低層の建築物が多いと感じる小田急沿線ですが、駅前にタワーマンションがある駅はどれぐらいあるのでしょうか。

小田急沿線にも増えるタワーマンション

1970年代に登場したといわれるタワーマンションは、建築基準法が1997年に改正されたことにより、駅前のような一等地にも多く建設されるようになりました。
昔は都心部に行かなければ見られなかった高層建築物が、郊外の駅前にも建っている状態となり、当初はその風景に違和感があったものです。

小田急沿線において、高い建物がある地域といえば、かつては超高層ビルが林立する新宿のイメージでしたが、駅によっては複数のタワーマンションや、高層ビルが建つようになってきました。
駅前にタワーマンションが増えた背景には、再開発等によって区画整理が行われたり、空き地が目立っていた駅の開発が進んだといったケースがあり、駐車場ばかりという駅前は昔のことになりつつあります。

タワーマンションがある小田急の駅

海が近い路線ほどはタワーマンションがないイメージの小田急ですが、実際にはどれぐらいの物件があるのでしょうか。
今回は分譲された物件に絞り、駅から半径500m以内を基準にして調べてみることにしました。

タワーマンションには明確な定義がないようですが、一般的に多く用いられているという20階以上の物件をピックアップしています。
以下は各駅にあるタワーマンションで、括弧内は完成した年を示し、太字は今後建設される物件となっています。

【南新宿】
ファミール新宿グランスィートタワー(2002年)

【向ヶ丘遊園】
アトラスタワー向ヶ丘遊園(2008年)
パークタワー向ヶ丘遊園(2025年)

【相模大野】
パークスクエア相模大野タワー&レジデンス(2009年)
プラウドタワー相模大野(2013年)
プラウドタワー相模大野クロス(2025年)

【小田急相模原】
ステーションスカイタワー小田急相模原(2013年)
グランタワー小田急相模原ル・ソレイユ(2007年)
リビオタワー小田急相模原レジデンス(2019年)

【海老名】
ビナマークスイースト(2004年)
ビナマークスウエスト(2004年)
リーフィアタワー海老名アクロスコート(2019年)
リーフィアタワー海老名ブリスコート(2020年)

【本厚木】
ザ・パークハウス 本厚木タワー(2020年)

【湘南台】
エスタテラ湘南台プラザタワー(2002年)

結果はこのようになり、駅が集中する傾向となっています。
全て2000年代以降に完成した物件で、1997年の法改正が大きく影響したことが分かりました。

小田急が力を入れている海老名では、周辺に多くのタワーマンションが建っており、電車が混むようになったのも頷けます。
ほぼ全てが向ヶ丘遊園以西となっていることも特徴ですが、都心から離れすぎると見られなくなり、地域にも偏りがある結果となりました。

おわりに

小田原線の中心付近に集中し、これからも増加が続きそうなタワーマンション。
登戸のように具体化している場所もあり、10年後や20年後はどのような沿線風景となっているのでしょうか。