2023年12月10日に現役を引退し、現在は喜多見検車区内に留置されている小田急の50000形(VSE)。
現役引退後も解体はされておらず、2編成が揃って残っている状態となっています。

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すぐに解体されるようなことがなく安心する反面、この先の処遇が気になるVSEですが、2024年度以降はどうなっていくのでしょうか。

喜多見検車区で休車中のVSE

惜しまれつつ現役を引退した2編成のVSEですが、意外にもまだ廃車にはなっていません。
引退後も喜多見検車区内で休んでいる状態となっており、文字どおり休車の状態です。

休車というのは、車籍を残したまま車両の使用を中止している状態を指し、当面使用する見込みがない場合や、廃車まで時間がある際に設定されます。
VSEには2024年3月31日までの休車札が掲げられており、少なくとも年度末までは車籍が残る可能性が高い状態です。

もう走ることはないはずのVSEが休車となっている理由は不明ですが、廃車とした場合でも解体を保留すること自体は可能であり、気になる状況であることは間違いありません。
解体前に大野総合車両所まで自走させるためかとも思いましたが、わざわざそれだけのために休車にするのかといえば、それも少し考えにくい気がします。
いずれにしても、屋根のある喜多見検車区構内に留置されているため、車両自体は綺麗な状態を保つことができそうです。

気になる2024年度以降の動き

2023年度末までの廃車がないことは分かっていますが、気になるのは2024年度以降であり、解体やロマンスカーミュージアムへの展示がどうなるのか、そんな部分に注目が集まります。
過去にも解体を保留され、長く車両が留置されたケースはありますが、VSEの場合は2編成が揃って残されている状態で、少し状況は違うかもしれません。

2024年度以降の動きについては、新年度が始まる4月1日以降の段階で分かりそうなことが一つあり、休車の状態が延長されるのか、それとも4月1日に廃車とするのかによって、当面の動きは見えてきそうです。
当然のことながら、廃車となれば年度内に解体される可能性が今よりも高まりますし、休車が延長された場合には、休車期限までに解体されることはおそらくないでしょう。

そこで気になってくるのが、VSEを休車としている理由です。
他社への譲渡を控えている車両が休車になるケースはあるものの、VSEが他社で再起する可能性は高くないため、別の理由が考えられます。
譲渡がないとなれば、可能性としてはかなり低いものの、何らかの利用を想定しているため、あえて休車にして解体を保留している、そんなことを期待してしまいますが、嘘みたいな奇跡はありえるのでしょうか。

小田急にとって誤算があったとすれば、定期運行を終えた後の盛り上がりが予想以上だったという可能性はあり、その場合には考え方が変化してもおかしくはありません。
さすがに現役復帰は考えにくいですが、ある程度手を入れて波動用として復活させるといったことがあれば、それはまさに奇跡という展開になりますが、さすがに夢物語でしょうか。
更新が難しいこと等が引退の理由ですが、現代において不可能なことはそこまでないでしょうから、物理的な可能性は0ではないのかもしれませんね。

おわりに

喜多見検車区で静かに休むVSEは、今後どうなってしまうのでしょうか。
既定路線であるロマンスカーミュージアムへの保存さえ、検討という表現にされており、2024年度以降にどんな動きがあるのか、目が離せない状態が続きそうです。