小田急の小田原線と東京メトロの千代田線が接続し、対面での乗り換えも可能となっている代々木上原駅。
JR東日本も交えた相互直通運転も行われていますが、乗り換えがしやすい環境となっているため、直通列車を使わなくても利便性は高い状態です。

そんな代々木上原駅ですが、乗換客を配慮していると思われる物の配置となっています。
他の小田急の駅とは、どのような点が異なるといえるのでしょうか。

小田急の管轄駅である代々木上原

小田原線が開業した当時からある代々木上原駅ですが、元々は各駅停車しか停まらない目立たない駅でした。
そのような駅が大きく変貌するきっかけとなったのは、1978年に千代田線との相互直通運転が開始されるタイミングで、ホームは地上から高架へと移ることとなります。

大きく変化した代々木上原は、同時に急行や準急の停車駅となりました。
現在も特急以外の全てが停車するようになっており、直通列車に乗らなかった場合でも、双方の乗り換えがしやすい状態となっています。

代々木上原駅のホームは、外側を小田急、内側を東京メトロが使用する2面4線の配置で、上下線が対面で乗り換えられる構造とされました。
綾瀬方面に向かう千代田線の列車は、小田急からの直通ではない限り始発列車であり、着席の機会を確保しやすいのもポイントの一つです。

2社で共同使用する代々木上原駅ですが、管轄自体は小田急となっており、全体的に小田急らしい雰囲気が漂います。
一方で、所々に東京メトロの要素も散見され、そんな融合を眺めるのも面白い駅といえそうです。

乗り換えがしやすい駅構内の配置

対面での乗り換えがしやすい代々木上原駅ですが、2面4線となっている小田急の駅としては、終端部があまり狭くならないことが特徴の一つです。
小田原方はそのまま複々線となり、その間には千代田線の引き上げ線があるため、待避線がある駅のように狭くする理由もなく、全体の幅があまり変わらないホームとなっています。

20240316_02

実際のホームを見てみると、人がいなければかなりすっきりした状態で、整列乗車を促す床の案内が目を引きます。
左側に到着した快速急行のドアが開けば、多くの利用者が右側の千代田線に乗り換え、どちらの列車も早々に発車していくのが日常の光景となっています。

すっきりしていることに通じる部分ではありますが、代々木上原駅では乗り換えが発生する際の導線を支障しないよう、極力床に物を配置しないように配慮がされているものと思われます。
他の駅では低く見やすい位置に変えられた時刻表は、上屋から吊り下げられた昔ながらのものとなっているほか、ベンチも階段付近にあって邪魔にはならないため、素早く乗り換えが可能なのも頷けます。
それだけ代々木上原での対面乗り換えは多いのだと思いますが、他の駅との雰囲気の違いは、このような配置からも感じるのかもしれませんね。

おわりに

共同使用駅という特殊性なのか、全体的にレトロな雰囲気も漂う代々木上原駅。
ホームドアの設置で大きくイメージは変わりましたが、少し古めの高架駅らしさも残っており、小田急線内では特徴的な駅の一つといえそうです。