過去に二度の改良工事が行われ、将来的には3回目の予定が控えている小田急の新百合ヶ丘駅。
ホーム等の基本的な配置は変わっていませんが、利用者の増加に合わせてコンコースや階段の増設が行われてきました。

改良工事では、エスカレーターやエレベーターの設置が行われていますが、上りホームはエスカレーターが1基多い状況となっています。
なぜ上りホームだけ数が多くなっているのでしょうか。

新百合ヶ丘駅に設置されているエスカレーターの数

1974年に開業した新百合ヶ丘駅は、待避線を備える小田原線に多摩線が挟まれた配線となっており、小田急では最大規模となる3面6線のホーム配置となっています。
このような配置は開業時から変わっていませんが、利用者の増加に合わせて改良工事が行われ、階段やエスカレーター等が増設されてきました。

現在の新百合ヶ丘駅には、合計10基のエスカレーターが設置されており、エレベーターも各ホームに設けられています。
エスカレーターの内訳は、小田原線の下りホームが3基、上りホームが4基、多摩線ホームが3基となっており、小田原線の上りホームだけ1基多い状態です。

開業時にはエスカレーターが1基もなかった新百合ヶ丘駅ですが、過去に2回行われた改良時にエスカレーターを設置してきました。
2回目の改良工事では、新宿方に上下方向のエスカレーターが設置されましたが、多摩線の特性上列車の到着時に大量の乗客が動くため、一部は階段にしておいたほうがよかったようにも思います。

上りホームにだけ多いエスカレーターの謎

比較的多くのエスカレーターが設置されている新百合ヶ丘駅ですが、気になる存在が上りホームにだけ余分にある1基です。
その他のエスカレーターは、階段等の増設に合わせての設置ですが、この1基だけは既存の階段に追加されており、ホーム中央付近にある新宿側を向く階段に設けられています。

元々はホームの中央に八の字の階段が設けられていましたが、1回目の改良時には小田原方に階段とエスカレーターが増設されました。
下りや多摩線のホームとは異なり、上りホームにだけ余分に1基が設けられたことになりますが、なぜこのようなことになったのでしょうか。

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該当するのはこの位置となりますが、意外にも1回目の改良工事で上りホームの拡幅が行われており、その際にスペースが生まれたことから、その部分にエスカレーターが設置されました。
元々はエスカレーターの分ぐらいホームが狭い状態でしたが、朝ラッシュ等への対策としてホームが広げられ、現在の状態となっています。

おわりに

ホームの拡幅に合わせて、上りホームにだけエスカレーターが1基多い状態となった新百合ヶ丘駅。
他とは構造が異なるため、名残がある状態ではあるものの、改良工事から長い年月が経過した今となっては、そんな過去も忘れ去られつつあるのかもしれません。