帰宅時に必ず着席できる列車として、新宿駅を17時以降に出発する小田急のホームウェイ号。
ロマンスカーを使用した特急列車ですが、快適な通勤等を実現するために設定されており、速達性よりも快適性を目的とした列車です。

すっかり小田急の利用者に定着したホームウェイ号ですが、いつ運行を開始した列車なのでしょうか。

実態に合わせた愛称の設定

都心部から帰宅する際の足として、小田急利用者の強い味方となっているホームウェイ号は、1999年に登場しました。
1999年に登場したとはいっても、夜の通勤時間帯にはそれ以前から多くのあしがら号が運行されていたため、通勤時間帯に有料の着席列車が走っているということを、強く印象付けるために専用の愛称を設定したというのが実際のところです。

ホームウェイ号という愛称は公募によって決められましたが、得票数で1位となったホームタウンはJR東日本が使用していたため、この愛称が選定されています。
公募は1万2000通を超えており、そのような中からホームウェイ号という愛称が選ばれたことになります。

ホームウェイ号が登場した1999年のダイヤ改正では、特急列車における変化が色々とあり、あしがら号とさがみ号を統合してサポート号としたほか、特急料金の値下げが行われ、乗車口における検札も廃止されました。
こうしてホームウェイ号の歴史がスタートしましたが、その後は様々な変化を続けていくこととなります。

変化を続けるホームウェイ号

近年は決まったパターンに落ち着きつつありますが、ホームウェイ号は試行錯誤の歴史でもありました。
かつては小田急の全線で運行されており、多摩線に直通運転する列車もある等、多種多様なパターンを見ることがきたものです。

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相模大野駅で分割し、小田原線と江ノ島線に分かれる列車もありましたが、現在そのような運行はなくなっています。
多摩線系統のホームウェイ号については、利用状況が悪く廃止となっていますが、新百合ヶ丘から後ろの4両だけを多摩線に走らせ、思いきって各駅停車にするようなことをすれば、違った結果だったのかもしれません。

過去における最大の変化としては、60000形(MSE)の登場に合わせて、メトロホームウェイ号の運行が開始されたことがあげられます。
東京メトロの千代田線から運転されるホームウェイ号で、特急専用車両が地下鉄線内を走るという、全国的にも極めて珍しい取り組みとなりました。

車両の面では、7000形(LSE)や10000形(HiSE)が在籍していた時代には、展望車が多く運行されている状況でしたが、MSEへの置き換えが進められたことで、現在に至るまで減少が続いています。
ホームウェイ号の乗車率は高く、コロナ禍を経ての変化もあるように感じますが、ロマンスカーの一つの姿として、これからも愛されていくことでしょう。

おわりに

2024年4月1日から始まったロマンスカーのサブスクでは、ホームウェイ号が運行される時間帯である、平日の18時以降が除外されています。
この設定からも、ホームウェイ号の利用率が高く、安定した乗客がいることが垣間見えますね。