限られた駅数ではあるものの、今後ホームドアの設置が予定されている小田急の江ノ島線。
中央林間、大和、藤沢の3駅に設置が予定されていますが、発表されている以外にも検討が進められる可能性があるため、決まっているのがこの3駅と表現したほうがよいのかもしれません。

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そんな江ノ島線ですが、ホームドアと関係が深いTASC(定位置停止装置)の整備に向けた動きも出てきています。
8両の入線を思わせるような動きもあるようで、今後の展開が気になるところです。

江ノ島線でも始まったTASCの準備

設置された駅はまだ限られる状況ながら、小田急でもホームドアの整備が進みつつあります。
並行してTASCの整備も進められており、小田原線や多摩線では使用されている駅が増えてきました。

相模大野から分岐して片瀬江ノ島に至る江ノ島線は、現在までTASCが導入されない状態が続いてきましたが、準備が進められているとみられる動きがあり、計測等が行われているようです。
TASCは駅で車両を既定の停止位置に停める装置であり、許容される停止範囲が狭くなるホームドアの設置路線において、セットで導入されることが多くなっています。

小田急においても、ホームドアの整備に並行して設置が進められており、駅で運転士がブレーキ操作をせず、勝手に電車が停まるようなシーンが日常の光景となってきました。
先頭車で前を見ると、運転士がマスコンを操作せずに電車が駅に停まるため、最初は妙な違和感があったものですが、既に見慣れた光景となりつつあります。

江ノ島線を8両が走る可能性

江ノ島線でTASCの準備が進められる中、一部で騒がれているのが、8両の列車が停車することを考慮していると思われる動きです。
実際にどうなるのかはまだまだ未知数ですが、江ノ島線を8両が走る可能性はあるのでしょうか。

まず、遠い未来の可能性は別として、新宿から藤沢までを結ぶ快速急行において、8両化が行われる可能性は極めて低いと考えられます。
小田原線内の乗車率を考えた場合に難しいというのもそうですが、江ノ島線に向かう快速急行だけを8両にする場合、他の優等列車と運用を分ける必要があり、あまりにもデメリットが目立ちます。

もう少し現実的にありえるとしたら、江ノ島線内で完結する8両の急行を走らせるパターンです。
1時間に3本の快速急行が走る現状のダイヤにおいては、線内完結の急行を追加する可能性はほぼありませんが、仮に30分ヘッド等への大規模な変更が発生した場合には、快速急行を1時間に2本として、合間に急行を追加する可能性はありえます。

可能性の面でいえば、江ノ島線の各駅停車を8両化するというケースも考えられますが、それであれば3000形の6両をリニューアルすることが若干矛盾してくるため、費用対効果の面も踏まえると考えにくいといえそうです。

現実的なところでいえば、早朝や深夜等に間合いで8両を入線させるといったことや、ダイヤが乱れた際に入線することを考慮している可能性が高く、現時点で8両が頻繁に走るようになる未来は想像しにくいでしょう。
しかし、小田原線に6両の急行が増えたといった先例もあるため、何が起きてもおかしくはないというのも、これまた事実なのかもしれません。

おわりに

小田急線内での導入区間が広がり、今後は江ノ島線でも使われると想定されるTASC。
技術の発展により、職人技に頼っていた部分が年々減っていますが、運転士の負担軽減には確実に寄与しているのでしょうね。