小田原寄りにある主要駅で、JR東海の御殿場線との乗り換えも可能な小田急の新松田駅。
開業時から西の主要駅として位置付けられており、かつては特徴的な姿の駅舎が使われていました。

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現在の新松田駅は、一般的なスタイルの地上駅舎となっていますが、この姿になったのはいつのことだったのでしょうか。

開業時に造られたギャンブレル屋根の駅舎

小田急が開業した当時、主要駅として「五大停車場」が設定されました。
新松田駅はその中の一つであり、最も小田原寄りに位置する主要駅となっています。



各駅の特徴は駅舎にも表れており、他の駅とは異なるギャンブレル屋根の駅舎が用いられ、現在も向ヶ丘遊園駅にて現役で使用されています。
その他の駅では残念ながら消えてしまいましたが、比較的後年まで残っていたのが新松田駅でした。

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建て替えられた駅舎でしたが、元々の建物は向ヶ丘遊園内に移築され、その後は鉄道資料館として活用されました。
向ヶ丘遊園自体が閉園してしまい、残念ながら現存しませんが、上手な活用方法だったように思います。

建て替えにより一新された現在の駅舎

1927年の開業時から使われてきた駅舎でしたが、時間の経過によって老朽化が進み、建て替えが行われることになりました。
旧駅舎が向ヶ丘遊園に移築されたことを踏まえれば、修繕等を行うことで使い続けることも可能だったものと思われますが、駅の規模に対して手狭になっていたというのもあるのでしょう。

新松田の新駅舎は1980年3月5日から使用を開始し、木造建築から鉄骨で組まれた建物へと変わりました。
当時多くの駅で行われていた橋上駅舎化はされず、地上に駅舎を配置したままの建て替えとされています。

ホームとの出入りには跨線橋を利用しますが、駅舎がある北口には自動改札機があるものの、南口側にはありません。
面白いのは、南口から階段を上った跨線橋上に自動改札機が置かれていることで、かつては臨時改札口だったものの、現在は終日利用可能となっています。
橋上駅舎ではないものの、駅舎がない反対側からもホームに入れるのは、比較的良心的な導線といえそうですね。

おわりに

新松田駅の周辺では、現在再開発が計画されており、橋上駅舎化も検討されています。
実質的には橋上駅舎に近い導線が確保されていますが、3回目の建て替えが行われるとなった場合、どのような姿の駅舎となるのでしょうか。