例年より少し遅めでしたが、小田急から2024年度の鉄道事業設備投資計画が発表されました。
1回の記事ではまとめきれないため、今後何回かに分けて読み解いていこうと思いますが、まずは車両面の動きについて考えます。

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注目ポイントは新車が造られるのかというところでしたが、5000形の増備再開が含まれており、付随する気になる展開も色々とありそうです。

5000形の増備再開や3000形のリニューアル

2022年度に5062Fが登場した5000形は、2023年度に増備を一切行わず、増えない状況が続きました。
西武鉄道に8000形を譲渡することが発表されていたため、2024年度以降に車両の増備が行われる可能性が高くなっていましたが、結果は5000形の増備再開でした。

2024年度については、5000形を2編成増備するとされています。
編成はこれまでと同じ10両で、合計20両が増備されることになります。
注目すべき点は、ニュースリリース内で8000形の代替車両と明示されたことで、やはり8000形は順次置き換えられる運命にあると考えてよいでしょう。

今回2編成が増備される5000形ですが、1編成には線路設備モニタリング装置が搭載されるとされており、小田急にもいよいよ登場ということになります。
編成は5063Fと5064Fを名乗るものと思われますが、線路設備モニタリング装置を搭載した編成は別番台とされる可能性も否定はできず、どういう割り当てとなるのでしょうか。

車両のリニューアルについても引き続き行われ、対象は3000形となっています。
6両の3本が対象とされ、2022年度からの流れを踏襲するようで、当面はこのペースでリニューアルが行われることになりそうです。
施工内容も大きくは変わらないと考えられるため、引き続き3次車以降の編成が対象になるとみられます。

気になるクヤ31形の処遇や保有車両数

5000形の増備再開にあたっての注目点としては、やはり線路設備モニタリング装置があげられます。
これは最終的にクヤ31形の処遇に影響すると思われますが、登場後すぐの置き換えを示すものともいえないため、車両の仕様に左右されることになりそうです。
牽引車が8000形となった時点で、クヤ31形が長くは使われない可能性が高まっていましたが、やはりそうなってしまいました。

2024年度は5000形の増備が20両となりますが、年度内に西武へと譲渡される8000形は6両が1本と判明しているため、妥当な両数といえます。
8000形の代替車両と明示されていることを踏まえれば、現段階で保有車両数を増やすことは否定されるため、8000形を残して5000形を増やすのではなく、あくまでも置き換えという展開になるのでしょう。

2024年度は置き換えのペースが控えめといえますが、2025年度にどのような動きを見せるかも注目点で、年度を跨ぎつつ増備が続けられるようなことがあれば、ある程度の時期からどんどん8000形が減る可能性は残ります。
そうなると一気に見かけない車両になってくるため、いよいよカウントダウンが始まりつつあるのかもしれません。

ところで、保有車両数が増えないとなった場合、今後のダイヤについてはどうなるのでしょうか。
減便された後のダイヤについては様々な意見があると思いますが、どちらかというと輸送力が適正に配分されてないことに起因する気がしており、車両を増やさずにその点を修正してくる可能性はあります。
アフターコロナの傾向も分かってきたでしょうから、それに合わせたダイヤへと変えていくのかについても気になるところです。

おわりに

1年の沈黙期間を経て、増備が再開されることになった小田急の5000形。
何らかの仕様変更が発生する可能性もあるため、登場する日を楽しみに待ちたいと思います。