周辺に今も豊かな緑があり、かつての里山の風景を感じることができる小田急の黒川駅。
開発が進んだ多摩線内の他駅とは異なり、今後もある程度は環境が保全されるものと思われます。

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そんな黒川駅ですが、駅名の由来はどのようなものなのでしょうか。

地名から採用された黒川という駅名

いきなり結論から書いてしまいますが、黒川という駅名は周辺の地名から採用されました。
駅の所在地は南黒川ですが、開業当時は黒川であり、後に新設されたものです。
今も周辺部には黒川の地名が残っており、周囲を東京都の多摩市や稲城市等に囲まれた都県境の地域となっています。

計画段階における多摩線内の駅名は、五月台と小田急永山も地名の採用を予定しており、それぞれ五力田と乞田でした。
延伸によって加わった唐木田駅を除けば、地名をそのまま採用したのは黒川駅だけであり、多摩線の中では結果的に少数派となっています。

黒川という地名の由来

地名がそのまま採用されたとはいえ、そもそも黒川という地名の由来はどのようなものなのでしょうか。
川が関係していることはなんとなく予想できますが、黒い水が流れていた場合は環境汚染が酷いということになり、それはありえないことになります。

黒川の環境が保全されている地区では、今でもホタルの生息が確認されています。
ホタルは水が綺麗な場所を好むというのは有名ですが、黒川もその条件に当てはまっており、現在も綺麗な湧水があるのです。

綺麗な水がある地域なのに、黒川となっているのはどういうことなのかというと、かつては川の水が透明であり、底が黒く見えたためといわれています。
定説としてはこれが広く知られていますが、黒い石が沢山あったというようなことも言われているようで、実際のところは昔を生きた人のみぞ知ることなのでしょう。

おわりに

多摩線の他駅が地名の予定から駅名を変更したのに対して、そのままとした黒川駅。
川の水が透明だったという背景があったからこそ、そのまま駅名として残したのかもしれませんね。