列車の本数が減る本厚木を過ぎてから、最初の主要駅となっている小田急の伊勢原駅。
近年は伊勢原駅まで運行される列車が増えたほか、将来的には伊勢原総合車両所の建設や新駅の設置が控えており、周辺の動きが慌ただしくなりつつあります。

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神奈川県の伊勢原市内にある伊勢原駅は、市名と同じ駅となっており、駅名自体はそれに由来しています。
地名から付けられた伊勢原駅について、成立までの流れを確認してみたいと思います。

伊勢原市内唯一の駅

神奈川県のほぼ中央に位置する伊勢原市は、都心に繋がる鉄道が小田急しかない地域です。
市の面積自体もそれほど広くはありませんが、ホームの一部がかかっている愛甲石田駅や、大山ケーブルカーを除けば鉄道の駅は伊勢原駅しかなく、小田急との関りが深い地域といえるかもしれません。

伊勢原駅の歴史は小田急が開業した1927年に始まり、コロナ禍における減少を別にすれば、今日まで利用者は増加傾向が続いています。
駅から少し離れると、現在も線路の周辺に田畑が広がっており、近年では珍しい風景となっていますが、2033年度の操業開始に向けて小田急の総合車両所が建設される予定で、風景には大きな変化が生じる見込みです。
付近には新駅の設置も検討されていることから、とにかく目が離せない地域となっています。

伊勢原という地名の由来

今後さらに注目を集めること間違いなしの伊勢原駅ですが、駅名自体は地名からとられました。
伊勢原市自体は1971年に誕生していますが、地名自体は古くから存在しており、伊勢原村、伊勢原町と続いてきたものです。

駅名にも採用された地名は、伊勢原駅の北口から少し離れた場所にある伊勢原大神宮に関係しています。
大山参詣をしていた伊勢の山田曾右衛門と鎌倉の湯浅清左衛門は、途中で開墾が可能な地域を発見し、地元の支配者の許可を得て開墾を行い、伊勢原大神宮の創建に繋がりました。

伊勢原大神宮には、伊勢神宮の神様が勧請されており、伊勢の神様が鎮座する地域はいつしか伊勢原と呼ばれるようになります。
つまり、伊勢原という地域に伊勢原大神宮が創建されたのではなく、伊勢神宮から派生して伊勢原大神宮が創建され、やがてそれは地名へと発展することとなりました。
伊勢原という地名が、三重県の伊勢に通じているというのは、やや意外なことかもしれませんね。

おわりに

総合車両所の設置や新駅の検討が行われ、今後さらに動きが活発になりそうな伊勢原。
伊勢原駅の北口では再開発事業も進められており、見慣れた風景は色々と変化することになりそうです。