戦後に開業した江ノ島線の駅で、トンネルに隣接しているのが特徴となっている小田急の善行駅。
反対側は比較的急な勾配となっており、駅周辺は江ノ島線内では珍しい起伏に富んだ地形となっています。

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そんな善行駅ですが、このインパクトのある駅名は何に由来しているのでしょうか。

地名に由来する善行という駅名

善行団地の建設に合わせて1960年に開業した善行駅は、江ノ島線内では少ない後発の駅です。
誕生の経緯は百合ヶ丘駅と似ており、開業年も同じであることから、この時期のトレンドだったことが分かります。

駅名に採用された善行は、この地域一帯の集落で使われていた地名で、それが小田急の駅名にも採用されました。
善い行いをして幸せにと、かつては記念切符等も売られており、特徴的な駅名を活かした取り組みも行われています。

善行という地名の謎

地名として使われてきた善行ですが、その由来はかつて存在した善行寺にあるといわれ、それが小田急の駅名にも採用されました。
善行寺は江戸時代の初期にあったとされ、駅の西側を通る善行公園付近が跡とされます。

跡となっていることからも分かるとおり、現世において善行寺は存在せず、過去にあったものが地名として残りました。
しかし、この善行寺には謎が多く、実在したという証拠がないことから、幻の寺とも呼ばれているようです。
地名についても元々は善行寺村だったそうですが、後に小字としての善行に変わり、現在もそれが引き継がれています。

お寺の存在を示す出土品があったり、それらしき地名が残ってはいるそうですが、文献等に記されたものは見つかっておらず、謎が多いようです。
駅名にまで採用された縁起のよい地名ですが、今後新事実が分かる日は訪れるのでしょうか。

おわりに

インパクトのある駅名ながら、その由来には謎も多い地名としての善行。
駅自体も特徴的な要素が沢山あるため、途中下車してみると面白いかもしれません。