最大で10両を組み、4両と6両に分割して走行も可能な30000形(EXE・EXEα)と60000形(MSE)。
小田急のロマンスカーにおいては、近年の主力タイプとなっており、圧倒的な多数派となっています。

両形式の中で、どちらかといえば付属編成的な役割を担うのが4両の編成ですが、日中は車庫で休んでいる編成がある等、ややもったいない存在です。
最近は臨時列車への充当等、使い方を模索している印象もありますが、活用は進むのでしょうか。

日中は活用しにくい4両のロマンスカー

ラッシュ時間帯を中心に、輸送力の最大化が可能な10両のロマンスカーは重宝されています。
EXEの登場で始まったこのスタイルは、MSEにも引き継がれており、現在は前面に展望席を備える車両が少数派となりました。

10両のロマンスカーは4両と6両で組まれており、途中駅で分割併合を行い小田原線と江ノ島線に分かれるパターンと、4両だけを途中駅止まりにするパターンがあります。
他社線への乗り入れも含め、単独での走行機会が多い6両に対して、4両は江ノ島線での活用が中心となっており、日中は車庫で休む編成も見られます。

日中に車庫で休む4両の運用は以下のとおりで、平日のほうが多い傾向となっています。

【平日】
N21:昼前に入庫して昼過ぎに出庫
N22:昼前に入庫して昼過ぎに出庫
N23:昼前に入庫して夕方に出庫
N41:昼過ぎに入庫して夕方に出庫
N42:昼前に入庫して昼過ぎに出庫
N43:昼前に入庫して昼過ぎに出庫
N44:昼前に入庫して夕方に出庫
N45:昼前に入庫して夕方に出庫

【土休日】
N21:昼過ぎに入庫して夕方に出庫
N22:昼過ぎに入庫して終了
N44:朝に回送で移動して夕方に出庫
N46:昼前に入庫して昼過ぎに出庫

土休日はえのしま号の本数が多いため、平日と比べた場合に車庫で休む編成は少なめですが、時期によっては空いていることも多く、快速急行が走る現代では難しい面があるのでしょう。
箱根登山線内には10両で入れないという制約があるため、10両のまま走らせることもできず、分割のタイミングから休ませる運用となっています。

波動輸送に活用する道

比較的休んでいる時間が長い4両ですが、それを活用しようとする動きも増えてきました。
2024年7月21日には、MSEの4両を使用したツアー列車の運行が予定されていますが、本来は入庫する列車を回送せずに活用するものであり、休ませておくのはもったいないということなのでしょう。

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平日のツアー列車は難しいと思いますが、土休日については内容次第で集客が可能であり、活用は色々と考えられそうです。
入庫時間が長い運用は、合間で臨時列車に仕立てやすいことから、50000形(VSE)が引退してしまった今、その役目はMSE等に移りつつあるのかもしれません。

土休日であっても、N46運用以外は比較的休んでいる時間が長いため、2編成を使用した企画もできそうです。
ライトなものであれば、撮影会といったこともできるでしょうから、休ませておくのはやはりもったいないと思いました。
VSEを唐木田駅で展示していた時のような、そんな企画もできそうです。

おわりに

どうしても走行距離が短くなってしまい、ややもったいないと感じるロマンスカーの4両。
4両同士を繋げられたりしたらよいのかもしれませんが、それはそれでデザインの制約等が生じるため、そう簡単ではないのでしょうね。