東京都と神奈川県に路線網を広げ、全線に渡って多くの車両が行き交っている小田急線。
小田原線と多摩線に車庫があり、夜中は多くの車両が休んでいますが、それ以外の場所で夜を明かす車両もいます。

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各所に点在して夜を明かす小田急の車両ですが、車庫に戻らない車両はどれぐらいいるのでしょうか。

車両が夜を明かす車庫以外の場所

全ての車両が車庫に戻れたら理想ではあるものの、現実的にはそうもいきません。
車庫の容量が限られるという問題のほか、全ての車両を車庫に入れてしまうと、翌朝に多くの車両を回送で始発駅に送り込む必要が生じてしまい、それはそれで非効率となってしまうのです。

そこで、車庫以外の場所に車両を留置し、翌朝の始発列車に備える運用が行われており、駅のホームや留置線で車両が夜を明かすこととなります。
江ノ島線については、線内に車庫が一切ないほか、留置線すら設けられていないため、駅のホームを上手く活用してやりくりされています。

終電間際になると、駅のホームにパンタグラフを下げた車両が散見されるようになりますが、それはそのまま夜を明かすということです。
線路を塞いでしまうと具合が悪いため、待避線があるような大きな駅のホームが、留置される場所となっています。

車庫以外の場所で夜を明かす車両の本数

車庫に戻らず夜を明かす車両ですが、どれぐらいの本数が該当するのでしょうか。
現在のダイヤにおける本数について、両数も含めて確認してみたいと思います。

車庫以外で夜を明かす車両は以下のとおりで、留置線がある駅はそれを含みます。

【新宿】
8両:1本
10両:1本

【経堂】
10両:3本

【向ヶ丘遊園】
8両:2本

【新百合ヶ丘】
6両:1本
8両:3本
10両:1本

【相模大野】
10両:1本

【相武台前】
6両:2本
8両:4本
10両:3本

【海老名】
10両:2本

【新松田】
10両:1本

【開成】
10両:3本

【足柄】
4両:1本
6両:3本
10両:3本(30000形の4両と6両を含む)

【小田原】
4両:1本
6両:1本
10両:3本

【大和】
10両:1本

【片瀬江ノ島】
6両:2本
10両:1本

結果はこのようになっており、翌日の運用に備えた場所に配置されていることが伝わってきます。
各駅停車向けの8両が新宿寄りに多く、小田原寄りには10両が多いという傾向があり、6両は走行区間に応じた場所に集まっているようです。

車庫に戻らないのは基本的に通勤型車両ですが、足柄にはロマンスカーである30000形の留置があり、4両と6両を繋いだ10両が夜を明かします。
一覧には含めていませんが、箱根登山線内に4両が1本、東京メトロ線内に10両が2本、JR東日本線内に10両が1本と、他社線内で夜を明かす車両もいます。

おわりに

翌朝の都合等も踏まえ、車庫以外の場所で夜を明かす小田急の車両たち。
全線に点在しつつも、車庫がない江ノ島線は片瀬江ノ島駅に多く留置し、末端に車庫がある多摩線は駅での留置がない等、各路線の特徴が表れているといえそうですね。