小田急の看板列車として、終日に渡って多くの本数が運行されるロマンスカー。
東京メトロ線内を走る列車を除き、下り列車は全て新宿駅から発車しており、2番ホームは絶え間なくロマンスカーが入れ替わる状態となっています。

そんな新宿駅の光景ですが、かつては3番ホームから発車する列車もあり、2編成が並ぶ光景も見られました。
現在はほぼ見られなくなりましたが、なぜ減ってしまったのでしょうか。

3番ホームからも多く発車していたロマンスカー

新宿駅を発車するロマンスカーは、最もJR東日本寄りにある2番ホームを使用しています。
現在は工事の影響で見る影もありませんが、以前はロマンスカーカフェが先端部にある等、特急専用ホームとしてのイメージが強くありました。

20240406_03

2番ホームからの発車が基本ではあるものの、以前は3番ホームから発車する列車もそこそこ存在し、地上ホーム中央の線路にもロマンスカーが多く入線していました。
特急以外も入る線路ですが、そちらは4番ホーム側から乗車することになるため、ロマンスカーには降車ホームから乗車するスタイルとなります。

現在のダイヤにおいても、3番ホームから発車する特急自体は残っており、土休日の10時25分発として設定されるはこね57号が該当します。
ふじさん号には、なぜか2番ホームと3番ホームの両方が時刻表上割り当てられているようですが、前後の列車の関係で中央の線路には入れないようにも見えるため、よく分かりません。

3番ホームからの発車が減った理由

昔は沢山あった3番ホームから発車する特急ですが、なぜここまで減ってしまったのでしょうか。
これにはいくつかの理由が複合的に作用しているものと思われ、設定する必要がなくなったという面もありそうです。

まず、新宿駅を発車する特急の間隔が、基本的に20分以上空くようになったことがあげられます。
以前は10分程度で続行する列車も多くあり、結果的に3番ホームを活用しなければさばけない状態でした。
現在も設定される3番ホームから出る列車は、はこね25号の5分後に発車するため、例外といえる存在なのです。

東京メトロに乗り入れる列車が設定されたことも、3番ホームの特急を減らすことに繋がりました。
運転間隔が短い場合も、片方が新宿駅に入線しなくなっているため、昔のような運用を行う必要がなくなっています。

最大の理由としては、特急以外が中央の線路を使う機会が増えたことがあげられます。
快速急行の増加により、新宿駅を発車する優等列車の本数が増えたことから、5番ホームを快速急行、4番ホームを急行が使用するようになっており、そもそも特急を入れる余地がほぼなくなっているのです。
これらの要素が絡み合い、3番ホームを発車するロマンスカーはほとんど見られなくなってしまいました。

おわりに

昔は多く見られたものの、今では珍しい存在となった3番ホームを発車するロマンスカー。
何らかの環境変化により、今後増えることはあるのか、それとも消滅へと進んでいくのか、先行きが気になる存在でもあります。