時間帯や行先に応じて、列車ごとに愛称が設定されている小田急のロマンスカー。
現在は停車駅のパターンが複数存在するため、愛称だけで乗るべき列車を判断することはできませんが、長く続くロマンスカーの伝統となっています。

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様々な愛称があるとはいえ、1日に設定されている本数は差が大きく、比較的少ないものもあります。
各愛称が1日に設定されている本数は、どのような状況となっているのでしょうか。

平日に設定されている各愛称の本数

土休日と比較して通勤や通学の需要が高い平日は、設定されている列車もそれに合わせたものとなっています。
ロマンスカーの本数自体も土休日よりは若干少なく、利用実態に合わせた設定がされているといえるでしょう。

早速ですが、平日における各愛称の本数を確認してみたいと思います。
以下は愛称ごとの本数で、括弧内は全体の本数に対する割合を示すものです。

【上り】
さがみ:9(19.6%)
はこね:16(34.8%)
メトロはこね:1(2.2%)
えのしま:3(6.5%)
ふじさん:3(6.5%)
モーニングウェイ:12(26.1%)
メトロモーニングウェイ:2(4.3%)

【下り】
さがみ:6(12.5%)
はこね:14(29.2%)
メトロはこね:1(2.1%)
えのしま:1(2.1%)
ふじさん:3(6.3%)
ホームウェイ:18(37.5%)
メトロホームウェイ:5(10.4%)

結果はこのようになっており、モーニングウェイ号やホームウェイ号の多さが目を引きます。
特にホームウェイ号の本数は極めて多く、メトロホームウェイ号と合わせた場合には、下りの半数近くを占めていました。

ホームウェイ号以外では、はこね号の本数が比較的多く、小田急線内完結型のさがみ号を上回っています。
快速急行の利用率が高いこともあり、平日においてはえのしま号の設定が少なく、数えるほどしかありませんでした。

土休日に設定されている各愛称の本数

一定の通勤需要はあるものの、観光需要が高くなる土休日は、列車の設定もそれに合わせたものとなっています。
平日との傾向の違いも見つつ、土休日の本数を確認してみることとしましょう。

以下は土休日における愛称ごとの本数で、括弧内は全体の本数に対する割合を示すものです。

【上り】
さがみ:7(13.7%)
はこね:20(39.2%)
メトロはこね:3(5.9%)
えのしま:8(15.7%)
メトロえのしま:1(2.0%)
ふじさん:3(5.9%)
モーニングウェイ:8(15.7%)
メトロモーニングウェイ:1(2.0%)

【下り】
さがみ:5(8.6%)
はこね:17(29.3%)
スーパーはこね:2(3.4%)
メトロはこね:3(5.2%)
えのしま:6(10.3%)
メトロえのしま:2(3.4%)
ふじさん:3(5.2%)
ホームウェイ:18(31.0%)
メトロホームウェイ:2(3.4%)

平日との差はしっかりと出ており、モーニングウェイ号の本数が少なくなっています。
一方で、ホームウェイ号の本数は変わらずで、買い物や飲み会の帰宅需要に応じているものと思われますが、通勤需要が少なくなるメトロホームウェイ号は本数が少なくなっていました。

はこね号が平日よりも多いことに加え、僅かながらスーパーはこね号が設定されているのも土休日の特徴で、観光需要を重視していることが分かります。
えのしま号の本数も平日よりはかなり多く、こちらもまた観光需要を意識しているのでしょう。

おわりに

愛称ごとの本数をまとめてみると、現在のロマンスカーがどのように使われているのかが見えてきました。
ホームウェイ号の本数がとても多く、それだけ通勤ライナーとしての需要は高いといえそうです。