地上にあるホームには優等列車が発着し、地下からは各駅停車が発車する小田急の新宿駅。
上下の二層に分かれる比較的珍しい造りとなっており、限られた用地を最大限利用して運用されています。

超高層ビルの建設に伴い、現在は工事の真っ只中となっている新宿駅ですが、夕方以降の帰宅ラッシュの時間帯ともなると、快速急行と急行に乗車するホームを中心に混雑が目立ちます。
どうしても利用率が高くなる両列車ですが、何か解決策はないのでしょうか。

優等列車用の地上ホーム

現在は2番ホームから6番ホームがある新宿駅の地上ホームには、急行以上の列車種別が発着しています。
以前は準急も顔を出していましたが、近年は東京メトロの千代田線に乗り入れる列車のみとなったため、ダイヤ上は新宿駅に顔を出さなくなりました。

地下ホームについては、区間準急の廃止以降各駅停車専用ホームとなっており、発着する列車は地上に比べて少なめです。
折り返しが回送となる優等列車が到着するタイミングはありますが、客扱いをして発車するのは各駅停車のみとなっています。

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工事が進められる新宿駅の光景ですが、平日の昼前は静かなもので、列車の到着時こそ人が行き交う状態とはなるものの、落ち着くと静かなものです。
しかし、夕方のラッシュ時ともなればこのような光景は一変し、帰宅客でホームは溢れ返り、移動するのさえ一苦労というタイミングも発生します。

階段からなかなか進めないような時もありますが、主な理由は快速急行と急行が同一のホームを使用することにあります。
4番ホームを急行が、5番ホームを快速急行が使用し、かつ快速急行の発車後に急行がすぐに追いかけていくダイヤとなっているため、どうしても両列車の乗客が入り乱れてしまうのです。

余裕があるとまではいえない広さのホーム上には、両列車の乗車列ができており、さらにホーム上を移動する人も加わるため、南口への階段付近を中心にどうしても人が溢れてしまいます。
降車ホームが分かれているため、列車の到着時における混乱はほとんどありませんが、快速急行と急行のホームは他に比べて混雑が極端なため、なんとかならないのかなと思わなくはありません。

地上ホームの混雑解消策を考える

ラッシュ時の混雑を解消できないかなと考えた場合に、真っ先に思い浮かぶ策といえば、快速急行と急行が使用するホームの拡張です。
特急用のホームを狭くするか、現在は使用していない旧1番ホームをなくすといったことが考えられますが、地下と一体化した構造体であると思われるため、そう簡単に位置を変えることはできないようにも思います。
結果的に使わなくなってしまった1番ホームですが、最初から造らない選択をしていれば、他のホームを広くできたことが悔やまれます。

拡張が難しいとなれば、快速急行か急行のどちらかについて、乗車と降車のホームを逆にするのはどうでしょうか。
乗車列の分散は図れそうですが、同じホーム上に乗車と降車が入り乱れることになるため、これはこれで余計な混乱を生みそうです。
現在も特急の場合には3番ホームからの乗車であり、列車種別に応じた案内がしにくくなるという面でも、デメリットが大きいように思いました。

続いての案としては、せっかく地上と地下があるので、縦方向に分けてしまう手があります。
地上の5番ホームと地下の9番ホームを使用し、快速急行と急行の乗客を上下に分離すれば、案内上の分かりにくさはありますが、混雑の分散は図れそうです。
しかし、これもデメリットは色々とあり、各駅停車のダイヤ乱れによる影響を受けやすくなることや、優等列車の到着するホームが地上だったり地下だったりするため、利用者の目線でも戸惑いが生まれると思われます。

そうなれば、地上のホームで真ん中にロマンスカーを入れてみるのはどうかとも思いましたが、今度は2番ホームと対になる降車ホームがないという問題が生じます。
結局そう簡単な問題ではないというのが実際のところですが、特定のホームに混雑が集中している実態はあるので、何かよい手はないものなのでしょうか。

おわりに

改良工事後の新宿駅がどのような姿になるのか、その全貌は今のところ不明です。
もしかしたら、このあたりの問題を解決するために、通路や階段の配置に工夫がある可能性もあり、そのような面でも今後の展開が気になります。