日本の首都である東京都を出発し、神奈川県にかけて路線網を広げている小田急。
沿線の各所で川と接近したり交差したりしていますが、神奈川県は水に恵まれた地域といわれています。

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どちらかといえば、小田急は神奈川県内を走る割合が高い路線ですが、沿線各所で使われている水道水の水源はどこなのでしょうか。
自治体等から公表されている資料を元に調べてみました。

東京都内の沿線における水源

世界的にも質が高いといわれている日本の水道水ですが、近年はミネラルウォーターを飲むという方も増えてきました。
美味しい、美味しくないという点は別にして、世界的にも水道水が飲める国は希少であり、恵まれている状況といえるでしょう。

水道の普及率が極めて高い日本ですから、小田急沿線の各所も蛇口をひねれば当然のように水が出てきます。
一方で、出てくる水が取水された水源は様々で、地域によって異なるため、味にも微妙な違いがあるようです。

早速ですが、まずは東京都内における小田急沿線の水源について確認してみましょう。
以下は区間ごとの水源を調べてみたものです。

新宿~経堂付近:利根川・多摩川の混合
経堂付近~和泉多摩川付近:多摩川(一部は相模川)
鶴川付近~町田付近:利根川・多摩川の混合
黒川付近~唐木田:利根川・多摩川の混合

結果はこのようになっていました。
基本的には利根川と多摩川の混合ですが、和泉多摩川が近くなると多摩川だけの場所があります。

興味深いのは、世田谷区の一部に相模川を水源としているエリアがあることで、これは神奈川県から多摩川を渡って運ばれているようです。
東京都は元々水に恵まれた地域ではなく、深刻な水不足に陥ったこともありますが、それだけ神奈川県は水資源に恵まれているということなのかもしれません。

神奈川県内の沿線における水源

小田急が広範囲に渡って走行する神奈川県についても、水源を確認してみたいと思います。
通過する自治体も多いため、それを反映した結果になると予想されますが、どうなりますでしょうか。

以下は神奈川県における、区間ごとの水源を調べたものです。

登戸付近~百合ヶ丘付近:地下水
百合ヶ丘付近~鶴川付近:相模川と酒匂川の混合
鶴川付近~小田急相模原付近:酒匂川
小田急相模原付近~座間付近:地下水
座間付近~伊勢原付近:相模川
伊勢原付近~鶴巻温泉付近:酒匂川
鶴巻温泉付近~開成付近:地下水
開成付近~小田原:酒匂川
相模大野~中央林間付近:酒匂川
中央林間付近~大和付近:相模川
大和付近~高座渋谷付近:酒匂川
高座渋谷付近~片瀬江ノ島:相模川
新百合ヶ丘~黒川付近:相模川と酒匂川の混合

思っていた以上に違いがあり、区間によって様々な水源を使用している状態でした。
神奈川県全体で見た場合には、海に近いほど相模川を水源とする地域が大半となりますが、人口密度が低い地域を中心に、地下水を使用している場所も目立ちます。

興味深いのは、座間市のように地下水だけとなっていたり、大和市の一部だけが酒匂川だったりと、必ずしも連続性がないという点で、水源の奥深さを知ることとなりました。
東京都も含め、区切りは推定を含む場所もありますので、多少の誤差はお許しいただければと思います。

おわりに

実際には他の水源が混ざっていたりする場合もあるようですが、大枠としてはまとめたとおりになっているようです。
実際に飲み比べるのは難しいでしょうが、駅によって飲んだ際の味にも違いがありそうですね。