小田急沿線のソウルフードともいえるぐらい、多くの駅に出店している箱根そば。
以前調査したところ、全体の40%を超える駅に箱根そばが出店しており、かなり高い出店率となっていました。

そんな箱根そばですが、ホームで営業する店舗が一つだけ存在します。
他の駅にあった過去の店舗にも触れつつ、貴重なラスト1店舗を紹介したいと思います。

駅のホーム上で営業する箱根そば

主要駅を中心に、小田急の沿線に多く出店する箱根そばは、小田急レストランシステムが展開する駅そばと呼ばれるジャンルの飲食店です。
利用者からは「箱そば」と呼ばれて親しまれており、多くの駅周辺や構内に出店しています。

駅そばといえば、ホーム上で営業する立ち食い店舗のイメージがあり、箱根そばも元々はそのスタイルの店舗展開を行っていましたが、世の中の流れと同様に数を減らし、現在は1店舗のみが昔ながらのスタイルで今も営業中です。
ホーム上で営業する店舗は相模大野駅にあり、場所は下りホームの先端部分となっています。

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店舗の様子はこのようになっており、写真の右側が2番ホームとなります。
ホームドアと箱根そばの組み合わせが実現したのは唯一と思われ、乗り換えの合間に利用できる便利な店舗となっています。

ホームに店舗があるのは相模大野のみとなりましたが、改札内に店舗がある駅は他にもいくつかあり、登戸、新百合ヶ丘、海老名が該当します。
他社の路線も含めて、いずれも乗り換えが多い駅という共通点があり、合間の時間を有効活用することを狙っているのだと思います。

過去に存在したホーム上の店舗

残るは相模大野駅のみとなったホーム上の箱根そばですが、過去には他の駅でも見ることができました。
箱根そばは1965年に誕生し、1号店は新宿駅の地下ホームで営業を開始しており、そもそもホーム上の店舗としてスタートした歴史があります。

確認できた範囲では、向ヶ丘遊園、柿生、湘南台にも過去にはホーム上に店舗が存在しました。
しかし、いずれも閉店してしまい現存せず、相模大野が最後の1店舗となっていることになります。

時代を昭和までさかのぼれば、他にもホーム上の店舗があると推測されますが、こういったものはまともな資料が存在しないため、調べるには限界があるのだと痛感します。
過去の店舗一覧はあっても、駅構内や改札内にあることまでは分かりますが、ホーム上かどうかまでは追えないため、このあたりは過去を知る方の記憶だけが頼りというところなのかもしれませんね。

おわりに

現在も営業を続け、ホーム上に残る最後の貴重な1店舗となった相模大野駅の箱根そば。
ホーム上で営業を続けるのが難しい時代になってきているとは思いますが、これからも最後の1店舗として長く残ってほしいものです。