箱根登山鉄道から社名を変更し、箱根エリアで営業を行っている小田急箱根。
小田原から強羅までを結ぶ鉄道線は、今も箱根登山電車と呼ばれており、小田急の延長線に近い存在となった箱根湯本までと、登山電車としての性格が強くなるその先に分かれて運行されています。

そんな箱根登山線ですが、今も警報灯や遮断機がない第4種踏切が残っており、小田急の車両が走行する区間にも存在します。
箱根登山線における第4種踏切は、どこにどれぐらい残っているのでしょうか。

小田原から箱根湯本までの間に存在する第4種踏切

日本で最もきつい勾配を走る粘着式鉄道として、それ自体が観光資源ともなっている箱根登山電車には、全線に33ヶ所の踏切があります。
内訳は第1種踏切が17ヶ所、第4種踏切が16ヶ所で、ほぼ半々となっている状況です。

警報灯や遮断機がない第4種踏切は、箱根湯本から先にのみありそうに感じますが、実際には小田原から箱根湯本にかけての区間内にも残っており、小田急の車両との組み合わせを日常的に見ることができます。
小田急線内とは異なり、スピードもそこまで出さないため、今日まで残ることができているのかもしれません。

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踏切自体は意外な場所にもあり、風祭駅のホームに隣接していたりもします。
小田原から箱根湯本までの区間内にある第4種踏切は以下のとおりで、区間ごとにまとめてみました。

【箱根板橋~風祭】
・風祭水車踏切

【風祭~入生田】
・風祭先踏切
・三軒家踏切
・𡋤下踏切

【入生田~箱根湯本】
・山崎宮踏切
・山崎稲荷踏切
・水車小屋踏切
・三枚橋踏切
・開沢踏切

いずれの踏切も規模としてはかなり小さく、線路付近にある住宅に出入りするものが中心です。
1日を通じて、ほとんど通る人がいないような踏切もあるのでしょうから、警報灯や遮断機を設置するのは難しいのでしょうね。

箱根湯本から強羅までの間に存在する第4種踏切

2両や3両の電車が力強く走る箱根湯本から先の区間にも、第4種踏切は残っています。
こちらのほうが残っていて当然という感覚はありますが、数としては意外にも小田原から箱根湯本までよりも少なく、合計は7ヶ所です。

以下は箱根湯本から強羅までの区間内にある第4種踏切で、区間ごとにまとめています。

【塔ノ沢~大平台】
・大平台入口踏切

【大平台~宮ノ下】
・大平台出口踏切
・大向踏切
・原田踏切
・荏原踏切
・大平台隧道前踏切

【宮ノ下~小涌谷】
・浅間山踏切

大平台から宮ノ下にかけて集中しており、それ以外の区間には2ヶ所しかありません。
箱根湯本までと同様に、電車がスピードを出すことはありませんが、全国的に第4種踏切の廃止が叫ばれている中、今後はどうなるのでしょうか。

おわりに

使う人が少ない場所を中心に、現在も第4種踏切が残る箱根登山線。
小田急の車両との組み合わせも日常的に見られ、箱根登山線内ならではの光景といえそうです。