新宿から小田原までを一気に開業し、10両編成が走る路線にまで発展した小田急の小田原線。
小田急の本線であり、小田原から先は箱根登山線の箱根湯本まで乗り入れ、観光路線の性格も合わせ持っています。

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そんな小田原線ですが、極力トンネルを掘らないようにしつつ、地形に合わせて線路を敷いた関係で、比較的カーブが多い路線です。
ホームがカーブにあることも多いですが、現代に比べれば用地はあった時代において、なぜそのような位置に配置したのでしょうか。

意外に多いカーブにホームがある駅

発車時の安全確認を徹底している小田急ですが、ホーム自体がカーブに位置しており、見通しが悪い駅が多数あります。
10両編成ともなれば、車掌だけで目視をすることは難しいため、確認用のモニターを活用しつつ、運転士もサポートを行う等して、安全を確認してから電車を発車させています。

後天的にホームがカーブするようになった駅もあるものの、開業時からそうであった駅も多数あり、なぜそんな場所に造ったのだろうと、ふと疑問に思いました。
開業時からカーブしている駅としては、南新宿、代々木八幡、代々木上原、豪徳寺、鶴巻温泉、東海大学前、渋沢あたりが該当しそうで、意外に沢山あります。
さらに、開業時は今よりもかなりホームが短かったわけですから、直線部に設けること自体は可能だったように思わなくもありません。

不思議に思うことは、代々木八幡のようにカーブがきつい場所にある駅の存在で、現代のようにホームのすき間が問題視されていなかった時代とはいえ、避けてもよさそうに思うのです。
開業当時は編成も短く、安全確認にはほとんど支障がなかったのでしょうが、結果的には長編成化によって安全確認がしにくい駅となってしまいました。

カーブに駅を設けた理由を考える

昔のことなので、最初のホームがどこであったかを正確に把握することは困難ですが、他の駅についても気になることがあります。
参宮橋駅等のように、カーブと隣接する位置にホームがある駅も多いのです。

そもそもカーブが多い路線なので、隣接するのは当然のようにも思いますが、ホームが短かった時代であれば、もう少し離すことはできたでしょう。
対照的なのは江ノ島線で、移転によってカーブに駅がある状態となった高座渋谷を除けば、ホームは基本的に直線となっており、小田原線との違いを感じます。

そういった事実から私が考えた仮説は、あえてカーブに駅を設けたというものです。
開業時から小田急は高速運転を志向しており、駅の前後にカーブができる島式ホームを避けたほどですが、だからこそ駅をカーブに設けたのかもと思いました。

どれぐらいのカーブかにもよりますが、電車が通る際にある程度の減速が必要なのであれば、そのまま停めてしまえば結果的に効率がよいといえます。
車両の加減速性能も現代とは比較にならないほど悪いことを踏まえると、ありえなくはないように思うのです。
カーブに近い駅が多いことも辻褄が合いますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

おわりに

カーブに駅が多い理由は、何かの文献で目にしたような気もするのですが、具体的な記憶が全く残っていません。
昔のこととはいえ、偶然にしては多いようにも思うため、いずれにしても何かしら理由はあったのかなと考えています。