途中駅での分割併合に関係し、かつては多く見られた小田急の異形式併結。
在籍する通勤型車両の全てがお互いに繋げられる時期もあったほどで、小田急のお家芸といってもよいものでした。

全線を10両で運転できるようになって以降、極力同一形式を繋ぐようにシフトしていったため、異形式併結は風前の灯火といった状況でしたが、最近になってやや増加傾向となっています。
永続的には続かないと思われる異形式併結は、最終章を迎えつつあるのかもしれません。

2パターンのみとなった異形式併結

昔は沢山の組み合わせが見られた異形式併結は、4両や6両の編成が減少の一途をたどったことから、組み合わせのパターン自体が減少してきました。
現在も見られる異形式併結は2パターンのみとなり、かなり限定されたものとなっています。

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一つ目のパターンは、1000形と3000形を繋いだ編成です。
併結する条件は形式だけではなく、1000形は原則小田急線内の運用に入る編成に限られ、3000形は3次車以降の未更新車となります。

1000形については、箱根登山線内の運用に入らない3編成が使われ、1057F、1067F、1069Fが該当します。
現在リニューアルが進められている3000形については、施工後に併結ができない仕様となっていることから、相方になれる編成は徐々に減っている状況です。

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二つ目のパターンについては、8000形と3000形を繋いだ編成です。
こちらも形式だけではない条件があり、3000形については1次車か2次車のみが相方となります。

8000形は通常同一形式で組むことが基本でしたが、廃車の進行によって半固定的だったペアも崩れており、単独で走る6両も増加傾向です。
今後も8000形の廃車が進むため、異形式併結が見られる機会は減少を続けるものと思われます。

異形式併結が増加している背景

一時期は全く見られない日も生じていた異形式併結ですが、最近は以前よりも走る頻度が増加しているようです。
同日に4本が走っているといったこともあり、一時期の減少が嘘のように感じる時さえあるのです。

例えば、ある日の異形式併結をピックアップすると、以下の4本が走っていました。

・8057F+3257F
・8064F+3262F
・8066F+3256F
・1057F+3270F

異形式併結が増加している背景には、8000形の置き換えが進められていることが関係していると思われます。
検査期限を考慮して無駄な走行を抑制すべく、6両は単独運用に回しつつ、4両は比較的暇にしている1000形を活用していると考えれば、異形式併結が増えた理由が見えてきます。

さらに、8000形の6両は西武への譲渡が決まっています。
譲渡の時期に合わせ、走行距離を調整していることも考えられるため、8000形の廃車を見据えた調整が行われているといえそうです。

おわりに

一時期より増加しつつも、今後何年もは続かないと思われる異形式併結。
8000形の廃車と3000形のリニューアルが進むと、一気に見られなくなってしまうかもしれませんね。