日中を中心に、小田原線と直通運転を行う優等列車を各駅停車とするようになった小田急の多摩線。
新百合ヶ丘駅を境に列車種別を変更し、小田原線を急行、多摩線を各駅停車として運行するのがお決まりのパターンとなりました。

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このような事情もあってか、多摩線内を走る各駅停車は10両の割合が多くなりましたが、基本となる6両等と比べた場合、実際の割合はどうなっているのでしょうか。
平日と土休日の2回に分けて、両数の割合を確認してみたいと思います。

平日の上り列車における両数の割合

朝のラッシュが最も激しくなる平日の上りには、通勤急行という専用種別が設定されています。
多摩線内から新宿駅に向かう優等列車ですが、ラッシュが終わった後の多摩線は静かなもので、日中は各駅停車ばかりの運行となります。

以前の多摩線は、1時間に6本の各駅停車と、20分おきに走る急行という組み合わせでしたが、近年は空いている日中の本数が削減されており、新宿と唐木田を結ぶ急行を多摩線内は各駅停車として運行するようになりました。
このような事情により、多摩線内を走る10両の各駅停車が多くなり、昔ほど6両を見る機会はなくなっています。

感覚的には半々ぐらいになった印象の両数ですが、実際はどうなっているのでしょうか。
平日の上り列車における各駅停車の両数は以下のとおりで、括弧内は全体に対する割合です。

6両:58本(54.2%)
8両:5本(4.7%)
10両:20本(18.7%)
10両(種別変更):24本(22.4%)

結果はこのようになり、やや6両のほうが多いものの、10両の列車も4割を超えていました。
区間準急が走っていた頃には多く見られた8両については、入出庫を兼ねた列車が早朝と深夜に見られるのみで、かなり貴重な存在となっています。

10両の割合を高めている理由の一つには、日中の往復運用に10両が入っていることがあげられ、急行の種別変更以外でも10両の列車が走る状態です。
そのため、10両であれば新百合ヶ丘駅で急行になるという法則は通じず、特定の時間から種別変更がなくなるというわけでもないため、行先を見なければ判断できない状態となっています。

平日の下り列車における両数の割合

上下の違いで大きな差が出るイメージはありませんが、下り列車についても両数の割合を確認してみたいと思います。
平日は夕方以降が帰宅のラッシュとなりますが、通勤急行といった専用種別は設定されていないため、多摩線には急行が直通運転をするダイヤとなっています。

以下は平日の下り列車における各駅停車の両数で、括弧内は全体に対する割合です。

6両:59本(53.6%)
8両:5本(4.5%)
10両:19本(17.3%)
10両(種別変更):27本(24.5%)

予想どおりの結果ですが、上り列車と比べて大きな割合の差はありませんでした。
種別変更をする列車が下りよりも少し多いため、10両で走る各駅停車は上り列車よりも割合が高くなっています。

おわりに

新百合ヶ丘駅で種別変更をする列車だけではなく、線内の往復運用にも10両が入ることで、6両の割合が相対的に下がっていました。
土休日の結果はどのようになるのか、追って続編として公開したいと思います。