通勤型車両の決定版として登場しながらも、8両編成が9本だけ増備されて終わった小田急の2000形。
1000形のワイドドア車を改良し、機器のアップデートを図った車両でしたが、時代や状況の変化に翻弄される形式でした。

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現在も全車両が現役ながら、搭載する機器では最古参となりつつある2000形は、8000形の次に置き換え対象となってしまうのでしょうか。

小田急の中では搭載する機器が古い2000形

小田急初のステンレス車体となった1000形の後継として、2000形は1995年に営業運転を開始しました。
分割併合を考慮しない8両固定編成となったことで、従来車との互換性を考慮しなくてよくなったため、通勤型車両では初めて電気指令式ブレーキを採用する等、地味ながら小田急における転換点となった車両です。

元々は営団地下鉄(現在の東京メトロ)の千代田線に乗り入れることや、主力車両としての増備が想定されていたようですが、複々線化の遅れや世の中の変化に翻弄され、最終的には8両ばかりが9本という陣容になっています。
1000形に続いて3000形のリニューアルが始まっているため、2000形については対象外とされた可能性が高く、引退まで現在の状態で使われるとみられます。

小田急では、現在8000形の置き換えが進められていますが、2000形についても今後が気になる形式です。
なぜかというと、残っている8000形と1000形はリニューアルを受けているため、2000形は通勤型車両で最も古い機器を搭載する車両となっており、内装等にもそれなりに痛みが散見されるようになっています。
各駅停車を中心とした活躍とはいえ、初期車の車齢は30年を超えようとしており、引退の時期は確実に迫りつつあるといえそうです。

2000形の置き換えについて考える

オールステンレスの車体を採用しているとはいえ、リニューアルをしていない2000形は痛みが目立ち始めています。
小田急らしく手入れはされていますが、乗車するとさすがにくたびれている印象を受け、他の車両との差も目立つようになってきました。

現状を踏まえると、8000形の次に置き換えられるのは2000形である可能性が高いといえますが、そもそも次なのかという点が気になります。
前述したとおり、搭載する機器の面では最古参の部類となっているほか、2000形独自のものも多いことから、やや異端車となってきているのです。

8000形は西武への譲渡が予定されており、ある程度まで廃車は進むと考えられますが、途中から少しだけ2000形の置き換えが並行する可能性もあります。
一部の編成を廃車すれば、取り外した機器を予備品とすることができるほか、検査期限の関係でも効率がよくなるためです。
このような前提を考慮した場合、意外に早く廃車が始まる恐れもあるため、落ち着いている今のうちに注目していきたいなと思いました。

おわりに

ひたすら各駅停車として走り、小田急線内ではあまり目立たない存在となっている2000形。
このまま引退まで走りきることになりそうですが、現役でいられる期間は思っているほど長くないかもしれませんね。