地上と地下にホームが分かれ、合計5線で折り返し列車をさばいている小田急の新宿駅。
優等列車が地上ホームを使い、各駅停車は地下ホームに発着する運用となっているため、地上と地下で賑やかさに違いがあるのも面白いところです。

比較的静かな地下ホームですが、8両編成の5号車が停まる付近に下へと続く階段が存在します。
使われている形跡がないこの階段は、いったい何のために存在するのでしょうか。

地下ホームに存在する謎の階段

下の階は存在しないはずの新宿駅地下ホームには、さらに下へと続く階段があります。
場所はホームの中ほどで、8両編成の5号車や、10両編成の7号車が停車する位置です。

使われていないとなれば、業務用の階段というのがよくあるケースですが、それにしては幅が広く、タイル貼りのしっかりした造りであることからも、旅客用として設けられたものと思われます。
階段を下りた先はシャッターが閉められており、階段の入口にも扉が設置されていることから、乗降客が使用することはできません。

20240914_02

謎の階段はこのような状態で、昔は入口の扉がありませんでした。
写真は乗車用ホームですが、降車用ホームにも同様のものがあり、シャッターの先では相互に繋がっているものと思われます。
改良工事が始まったためか、階段自体もシートで覆われており、今まで以上に不思議な存在となりました。

謎の階段が設けられた理由

長い歴史を持ちつつも、過去に使われた形跡がない地下ホームの階段ですが、確定した情報はありません。
ただ、京王の新宿駅と繋がる予定だったとする情報が多く、位置関係としても違和感がないことから、可能性としては高いと思われます。

小田急と京王のホームは並んでおり、階段を通った先は連絡改札とする計画だったようです。
しかし、最終的にはその計画が白紙になってしまい、小田急のホームには階段だけが残ってしまったということになります。
京王のホームは狭く、両線を乗り換える需要も多くはないと思われるため、造る必要がないと判断されたのでしょうか。

結果的に使われなかった階段ですが、京王の新線新宿駅に繋がっていたら便利だっただろうなとは思います。
都営の新宿線にも乗り換えられるほか、大江戸線への距離も近くなりそうで、実際に造れるのかどうかは別として、そっちであれば需要が沢山ありそうです。

おわりに

長い間使われていない謎の階段は、今後もこのままの状態となるのでしょうか。
入ることができない先はいったいどうなっているのか、見ることができないからこそ気になりますね。