2022年度からリニューアルが始まり、徐々に施工済編成が増えている小田急の3000形。
3次車以降の6両編成を集中的に進めている状況で、未更新車を見かける機会が以前よりも少なくなってきました。

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そんな3000形ですが、リニューアルが進むと気になることとして、6両編成の重要な役割である、1000形との併結運転をどうするのかという問題があります。
更新車は他の編成と繋げない仕様となっていますが、1000形の相方を残すことを目的として、6両の全編成をリニューアルしない可能性を考えました。

1000形と併結が可能な3000形の6両

かつては小田急のお家芸でもあった異形式の併結運転ですが、途中駅での分割併合を行わなくなったことで、年々数を減らしてきました。
通勤型車両においては、数本が走行している程度まで少なくなっており、やがて消滅する可能性が高くなっています。

小田急が4両と6両を繋がない方針にシフトしているのは、3000形のリニューアルからも読み取れます。
更新された6両編成は、新宿方から他編成と繋ぐための設備を撤去しており、単独で使用することを前提にしているためです。

3000形の6両においては、3次車以降の各編成が1000形と繋いだ10両での運行が可能で、現在も最大で3本が組成可能な状況となっています。
1000形の4両には更新車が7編成ありますが、4編成は箱根登山線内用となっているため、1057F、1067F、1069Fの3編成についてのみ、3000形と組んだ10両編成を見ることができます。
未更新車であれば、3000形の6両については3次車以降が全て併結可能ですが、リニューアルが済んだ編成が増加を続けているため、その母数は減少を続けている状況です。

あえて未更新車を残す可能性

6両のリニューアルは順調に進んでいますが、仮にこのまま仕様を変更しなかった場合、少し困ったことが発生します。
それは1000形の4両と組む相方がいなくなってしまうことで、現状のペースで進んだ場合には、数年後にその状況となることが予想されます。

近年の動向から、小田急が4両と6両を繋いでの運行に消極的なのは間違いなさそうですが、全くできなくなってしまうと、箱根登山線以外で運用する1000形の4両は、8両の代走しか使い道がなくなってしまいます。
さすがにもったいないように感じていたのですが、3000形の一部をあえて未更新のままとすることで、1000形の併結相手として残す可能性が頭に浮かびました。
6両の3次車以降を最大で3編成程度残し、10両のリニューアルに移行すれば、1000形の相方がいなくなる問題は発生しなくなります。

小田急で最大の勢力である3000形は、現状のペースだと全編成をリニューアルすることは困難だと考えられます。
つまり、未更新のまま廃車となる編成が一定程度発生する可能性は高く、それならば一部の6両をその対象にすればよいことになるのです。

小田急線内で使われる1000形の4両については、リニューアルから最大で10年程度が経過しました。
一方で、3000形の6両は製造から20年が近付きつつありますが、1000形や2000形の実績を考慮すると、リニューアルの際に外した部品等を活用することで、30年程度は走れると考えられます。

あと10年程度経過すれば、1000形はリニューアルから20年程度、3000形は製造から30年程度となりますが、廃車にするタイミングとしては見事なまでに丁度よさそうです。
3000形の一部を未更新のまま残し、まとめて廃車にするという可能性が、意外とありえるかもしれないと思ってしまいました。

おわりに

6両ばかりのリニューアルが進む中、1000形と組める編成が減り続けている3000形。
あえて未更新車を残すことで、1000形の相方がいなくなる状況は回避できますが、はたしてどのような展開となるのでしょうか。