全体の半数にあたる98両が廃車となり、残った98両が現在も活躍を続ける小田急の1000形。
2014年度からリニューアルがスタートしましたが、途中から更新されずに廃車となる編成が続出し、鉄道ファンを驚かせる結果となりました。

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最初の編成がリニューアルされてから、早くも約10年が経過しますが、未更新車はどのような順番で廃車となったのでしょうか。
既に記憶が曖昧になってきたため、改めて振り返ってみたいと思います。

1000形が廃車された順番

ワイドドア車を除く160両がリニューアルされる予定だった1000形は、結果的に全体の半数を廃車して5000形に置き換えられました。
計画が変更になった経緯は不明ですが、工期や費用の問題が顕在化し、ホームドアの設置や車齢を踏まえての経営判断があったものと思われます。

新型コロナウイルスで世界中が大混乱に陥る中、2020年の初夏に1000形の廃車が始まりました。
先輩である8000形よりも先に廃車が発生したことで、その展開には多くの鉄道ファンが驚かされることになります。

早速ですが、既に遠い記憶となりつつある1000形の廃車について、順番がどうなっていたのかを確認してみたいと思います。
1000形の各編成が廃車された順番は、以下のとおりです。

・1081F(サハ1181とサハ1381を除く)
・1055F(クハ1155のみ)
・1054F
・1255F(クハ1255のみ)
・1068F
・1751F
・1053F
・1062F(解体はされずに現存)
・1752F
・1059F
・1753F
・1060F
・1755F
・1051F
・1756F
・1754F
・1061F
・1253F
・1254F
・1251F
・1058F

編成の一部が残っているケースもありますが、廃車の発生は21編成にも及びます。
こんなにも多くの編成が廃車となっていることに、改めて驚かされました。

1000形の未更新車が消滅するまでの流れ

突然始まった1000形の廃車ですが、その先頭を切ったのは8両固定編成の1081Fでした。
1本だけの8両固定編成として人気がある編成でしたが、その希少性が仇となってしまったのでしょう。
1081Fの廃車はリニューアルとも関係しており、他の編成に付随車を供出することで、1097Fが誕生することとなりました。

1000形の置き換えは5000形で行われましたが、4両と6両をセットで廃車として、10両固定編成化の推進が図られます。
置き換えの初期段階においては、8000形の事故で被災した編成や界磁チョッパ制御車も対象となり、1000形は4両を中心に廃車が進められました。

8000形の整理が一段落してからは、1000形だけを置き換える流れとなり、4両と6両を組み合わせての廃車が続きます。
クヤ31形の牽引に対応した編成、ワイドドア車といった特徴のある編成が次々に過去帳入りし、結果的に最後まで残ったのは、赤い1000形と呼ばれた1058Fでした。

おわりに

1000形の未更新車が消滅してから、早くも2年が経過しました。
近年の小田急は車両の動きが激しく、今後も置き換えが継続すると考えられるため、目が離せない状況はしばらく続きそうですね。