2022年度よりリニューアルが開始され、現在は3次車以降の6両編成に絞り、順次施工が進められている小田急の3000形。
年に3編成のペースでリニューアル中という状況ですが、3000形は346両もの大所帯であり、更新車はまだまだ少数派となっています。

そんな3000形のリニューアルですが、全編成にリニューアルを行うことは困難であると考えられます。
一方で、6両の3次車以降だけで終わるとも考えにくく、今後はどんな順番で進むと考えられるのでしょうか。

5グループに大別される3000形

小田急で最も多く増備されることになった3000形ですが、製造段階で生じた差異に加え、その後の10両化等によりバリエーションがさらに増加しました。
車両の仕様差ではなく、製造時期や改造時期によって分類した場合、3000形は5グループに大別されます。

まず、6両の編成が大きく二つのグループに分かれており、3251Fから3262Fまでの12編成と、3263Fから3277Fまでの15編成が該当します。
前者は足回りが他の3000形とは異なり、3254Fまでは車体の構造さえ大きく違いますが、同一のグループとして扱われてきました。
後者は3000形の標準的なスタイルで、登場から現在まで6両の状態を維持しており、リニューアルが進められているグループです。

現代では中途半端な存在となったのが、3651Fから3658Fまでの8本が在籍する8両の編成で、3659F以降が10両化されたのに対して、増結をせずに存置されています。
10両化が中止になったといわれることがありますが、コロナ禍に入る前に中間車の製造が終わっており、元々計画されていなかったのでしょう。

10両については二つのグループがあり、6両だった編成に4両を追加した3091Fから3095Fまでと、8両だった編成に2両を追加した3081Fから3087Fまでが在籍します。
元の編成の関係で機器配置が若干異なっていますが、見た目上はほぼ差がありません。

更新対象とみられる10両編成

3次車以降の6両編成からリニューアルが進められている3000形ですが、全346両を仮に年間18両のペースで施工した場合、20年近くかかる計算になってしまいます。
昔のように車両メーカーに外注するとも考えにくく、1000形と同様に全ての編成をリニューアルせず、一部は未更新のまま廃車になる可能性が高いでしょう。

全編成をリニューアルしないと仮定した場合、気になるのはどのように進められるのかという点であり、対象から外れる編成も含めて興味はつきません。
3次車以降の6両については、別の記事で述べたとおり、全編成のリニューアルをしないこともありえますが、仮にそうだとしてもある程度まではこのまま進むものとみられます。



気になるのは6両が片付いた後のことですが、現在の状況を踏まえると、10両のリニューアルに移行する可能性が高いと思われます。
6両の2次車までと8両については、部品単位での交換等が既に行われ始めており、2000形と同様にリニューアルをせずに使い続ける可能性が高まっているためです。

20201010_03

対象外のグループを絞り込むと、あとは消去法で決まってきますが、まずは3091Fから3095Fまでのグループに着手する可能性が高そうです。
車内の液晶画面が交換されておらず、帯がロイヤルブルーのままであったりするため、リニューアルを見据えた動きと思われます。

最後に3081Fから3087Fまでをリニューアルし、そこで施工は終了となる可能性が高そうです。
10両の場合は、4両と6両に分けての施工になると思われるため、実質的には6両の24編成分と考えると、約8年の歳月を要することになります。

おわりに

6両のリニューアルが2026年度ぐらいまで続くとすれば、2030年代の半ば頃までかかる計算になりますが、場合によっては10両でさえ全編成は施工されないかもしれません。
1年に2編成ずつ施工できれば、2032年度ぐらいには終わりそうに思いますが、実際はどのような計画になっているのかが気になるところです。