小田急で最も標高が高い場所にあり、新松田との駅間距離も線内最長となっている渋沢駅。
丹沢山地の玄関口としても賑わいますが、周辺には住宅街が広がっており、様々な顔を持つ駅となっています。

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そんな渋沢駅ですが、かつて丹沢高原という駅名に改称する案があったといいます。
駅舎の改良が行われていた平成初期のことですが、秦野市内はなぜか駅名変更が多いエリアです。

駅舎改良時に存在した駅名改称案

現在は立派な橋上駅舎となっている渋沢駅ですが、完成したのは1993年のことでした。
建て替え前は南口側に小さな駅舎がある状態でしたが、橋上駅舎化によって自由通路を新設し、デッキに繋がる北口が設けられることとなります。

渋沢駅の改良工事が始まったのは1991年のことで、2年ほどをかけて山小屋風の駅舎が造られました。
この工事は秦野市の区画整理事業に合わせて行われ、増加する利用者に対応できるよう整備が進められたものです。
改良時にエスカレーターが設置されたほか、店舗等も営業を開始しました。

駅舎の改良を行った際、渋沢という駅名についても改称案が存在したといいます。
結局は実現しなかったことになりますが、不動産屋等で案内されていた時期もあるようです。

駅名改称が多い秦野市内の小田急の駅

小田急が東西に貫く秦野市内には、4駅が設置されています。
起点側から、鶴巻温泉、東海大学前、秦野、渋沢となっており、いずれも快速急行以下の全列車が停まるほか、秦野は1998年から特急停車駅となりました。

秦野市内の各駅は過去に駅名の改称が行われているケースが多く、鶴巻温泉は鶴巻、東海大学前は大根、秦野は大秦野が元々の駅名でした。
観光地を抱えていることもあってか、駅名変更によるイメージの向上に熱心だった経緯があるのかもしれません。
仮に渋沢が丹沢高原に改称されていれば、秦野市内の全駅が改称の歴史を持つことになったわけですが、実現しなかった理由が気になるところです。

おわりに

駅舎の改良工事に合わせ、駅名の改称が検討されていたといわれる渋沢駅。
丹沢高原という駅名も悪くはないと思いますが、長く親しまれた駅名が残ったのは結果的によかったのかもしれませんね。